晴れ、ときどき映画三昧

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「夜の道」(57・米) 65点

2013-06-28 06:14:55 | 外国映画 1946~59

  ・題材が揃った西部劇だが、美しいコロラドの風景が最大の見所だった。

  

 鉄道開発時代のコロラド、かつて鉄道員だったマクレーン(ジェームズ・スチュアート)。ホワイティ率いる強盗団に加わっていた弟ユチカ・キッド(オーディ・マーフィ)を逃がしたため、アコーディオンを手に歌って小銭を稼ぐ暮らしをしていた。たび重なる給料強奪事件に鉄道会社はマクレーンを輸送護衛に雇いいれる。

列車強盗、銃撃戦、美しい女性との恋、兄弟愛など西部劇に欠かせない題材がフンダンに揃った作品。おまけにJ・スチュアートの歌まで聴ける至れり尽くせりだが、肝心のシナリオに難点があったようで監督予定だったアンソニー・マンが降板、TVドラマ出身のジェームズ・ニールソンが映画初監督をしている。

 無難に纏めたという印象はあるが、J・スチュアートが兄弟愛と正義漢の狭間に悩む男を演じ孤軍奮闘した割に盛り上がりに欠けてしまった。アコーディオンは吹き替えだったが歌は本人の声で思ったより美声だった。弟役のオーディ・マーフィは小柄でどう見ても兄弟とは思えなかったのもイメージダウン。製作サイドは第2次大戦の英雄で人気絶頂だったO・マーフィをどうしても起用したかったのかも。ほかでは「シェーン」の少年ジョーイ役のブランドン・デ・ワイルドが同じ名前のジョーイで出演している。今回はキッドに憧れているが、これも無理な設定だった。

 大画面に映る紅葉の渓谷を縫うように走る列車が美しく、ディミトリ・ティオムキンの音楽も壮大で素晴らしかっただけに「ウィンチェスター’73」(50)以来4作続いたマン監督とのコンビでのJ・スチャートを観てみたかった。2人の仲を裂いてしまった作品でもある。
 
 
  


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