晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
マイペースで備忘録はまだまだ続きます。

『ホステージ』 70点

2012-07-16 10:49:11 | (米国) 2000~09 

ホステージ

2005年/アメリカ

ダイハードは超えられなかったB・ウィルス

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shinakamさん

男性

総合★★★☆☆ 70

ストーリー ★★★☆☆70点

キャスト ★★★☆☆70点

演出 ★★★★☆75点

ビジュアル ★★★★☆75点

音楽 ★★★☆☆70点

ロバート・クレイスの傑作サスペンスに惚れ込んだブルース・ウィルスが映画化権を獲得、自ら主演し監督をフランスのフローラン・エミリオ・シリを起用した意欲作。
ロス警察の敏腕交渉人だったタリー(B・ウィルス)が人質を救えず失敗したトラウマを抱え、小さな町ブリスト・カミーノの署長に就任した1年後。
3人の若者が、会計士ウォルター・スミスの豪邸に押入り籠城する事件が発生する。
密室に閉じ込められた男の苦渋はダイハード・シリーズでお馴染みのB・ウィルス。本編は謎の組織に自らの家族を人質に取られ、人質になった会計士が握る機密資料を捜し当てなくてはならなくなる絶体絶命の男に扮している。
原作は登場人物も多く、組織のマネーロンダリングに協力する会計士の家族、3人の若者の背景やタリー一家の家庭不和など群像劇としての面白さがあった。本作は思い切ってタリーの影を背負った心情を中心に展開している。トラウマだった<人質を無傷で救い、犯人を殺さず事件を解決する>ことに孤軍奮闘した男が、家族のためにこの事件に挑むのを如何にドラマチックに描くかが焦点となっている。
全編スリリングで息もつかせぬサスペンスだが、強引な展開は粗さも見え隠れする。もう少し丁寧さが欲しかった。
あの「ダイハード」のイメージが、良くも悪くも浸透してしまったB・ウィルス。残念ながら本作はそれを超えられず、引きずってしまった。娘役のアマンダを演じたルーマー・ウィルスは前妻デミ・ムーアとの間にできた実の娘だが、とくに光るものは感じなかった。いまはどうしているのだろう。