晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
マイペースで備忘録はまだまだ続きます。

『エコール』 70点

2008-12-13 11:42:37 | (欧州・アジア他) 2000~09

エコール

2004年/ベルギー=フランス=イギリス

ロリータ趣味だけの映画ではないが...。

総合★★★☆☆ 70

ストーリー ★★★☆☆70点

キャスト ★★★☆☆70点

演出 ★★★☆☆70点

ビジュアル ★★★★☆80点

音楽 ★★★★☆75点

19世紀末の作家フランク・ヴェデキントの「ミネハハ(笑う水)」を原作に、ギャスパー・ノエのパートナーであるルシール・アザリロヴィックが監督したミステリアス。今年再スタートを切ったゆうばり国際ファンタスティック映画祭の05年特別賞受賞作品。
森に囲まれた建物に6歳の少女イリスが棺に入って裸のまま運ばれる。ここは外部から閉ざされた男子禁制の学校で、最年長が12歳の6人が屋敷内で暮らしている。授業は生物とダンスのみで2人の女教師しかいない。
イリス以外の少女は8歳のアリスと12歳のビアンカ。他にボートで脱走しようとして溺死したローラがいる。
女の子が幼女から少女へ移る、女性の成長過程を描いているが、幻想的な雰囲気で何とも不思議な映画である。
少女の水浴びや脚の美しさを異常に強調したシーンのロリータ趣味だけの映画ではないが、時代や状況説明がないまま物語は進行し、観客のオープンな解釈に委ね過ぎのきらいがあった。
少女達はオーディションで選ばれたというが、ビアンカが可愛い。イリスは最後まで男の子としか見えなかった。2人の女教師エヴァ(マリオン・コティヤール)とエディット(エレーヌ・ドゥ・フジュロール)が言う教え、<「絶対服従こそ幸せ」「女の子は可愛らしく、美しく、男に選ばれるのが幸せ」>が、イノセンスな少女には不釣合いに感じて消化不良のまま終わってしまった。