お話

日々思いついた「お話」を思いついたまま書く

ある男の日記 ⑤

2019年06月28日 | ある男の日記(全5話完結)
 6月28日(金)
 日記をつけていたようなので、続きを書いておく。
 無事、潜伏中のドルスを発見し処刑した。ガドガス星出身の凶悪犯で、姿形を変えていたものを、やっと見つけ出したのだ。相棒には感謝している。
 メルカトリーム熱線銃を向けられた時は、ひやりとしたけど、半ば諦めていたようで弾き金に指をかけることなく「オレの妄想は当たりだったな」とわけのわからないことを言って抵抗されなかったのはテデムスの神のご加護と思っておく。信仰心なんてないけど。
 任務はこれで完了だ。
 あとはわたしたちの痕跡の消去を確実に行えば、こんな喧噪でゴミゴミした未開の惑星とは、さっさとおさらばだ。
 早く帰還し、ベルザの実をお腹いっぱい食べて、シャレールのエステに行きた~い!
 宇宙パトロール捜査官 ジェシル・アン
 相棒 同 カルース・モル

 そうそう、この日記帳、証拠品として持ち帰るけど、提出しないでおく。
 だから、悪口を書いておく。
 こんなイヤな任務を与えやがって!
「トールメン部長の馬っ鹿野郎!」




 作者註
 サイコパス物っぽいのを考えていたのですが、何故かSF物っぽくなりました。このヒロイン、ジェシル・アンを気に入ったので、もう一つお話を作ります。お付合下さいませ。



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