ブタの腎臓を人間に移植する計画が進んでいます。
東京慈恵医科大や国立成育医療研究センターなどの研究チームは重い腎臓病の胎児に、ブタの腎臓を一時的に移植する臨床研究の申請を目指しています。
アメリカでは遺伝子組み換えのブタの心臓を人間に移植した例があり、ベンチャー企業として成り立っています。
今回の対象は腎臓に問題がある「ポッター症候群」の胎児。
ポッター症候群は生まれつき腎臓が正常に作られず、体内の水分や老廃物を十分に排出できない病気で、5000~1万人に1人の頻度で発症します。
妊娠中に羊水の量が少なくなることで見つかり、肺などに障害が出ます。
生後、透析が必要で、死亡するケースも多くあります。
計画では受精後30日のブタ胎児から取り出した約2ミリ・メートルの腎臓を移植します。
移植手術は出産予定日の約4週間前に行い、胎児の背中の皮下に特殊な注射針でブタの腎臓を注入。
移植した腎臓は周囲の血管と自然に結合し、1日数十ミリ・リットル程度の尿を作ることが期待できるということです。
出産後、赤ちゃんの背中にチューブを挿入し、たまった尿を排出。
治療は、赤ちゃんが透析を安全に受けられるようになるまでの数週間、病気の腎臓の代役となります。
その後、ブタの腎臓は取り除かれます。
いわゆる異種移植です。
倫理面など議論が必要ですが、これで助かる命があるのであれば、是非出来るようになって欲しいと思います。