しまりすのひとりごと

あちこちぶつけまくり、転びまくりながら生き続けるしまりすのひとりごと。
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「黄色い目の魚」佐藤多佳子(95ヨンダラー)

2006年11月19日 22時59分23秒 | 最近読んだ本のこと
誰もが過ごしたことのある高校時代。
あの頃何を考えてたか。
どんな気持ちを抱えながら過ごしていたか。
漠然と広がる未来に何を思っていたか。

間違いなくもう一度高校生に戻りたくなってしまう。
それくらいきらきらとして、
綺麗な少年少女が出てくる話です。

絶対、読むべき。



びっくりした。
文庫化されてて。
嬉しかった。
ああ、この本の良さを分かってくれる人たちが
たくさんいてくれたんだなあ、と。
数年前に読んだ本だけれども、今でもその時の感動がよみがえる。

この「黄色い目の魚」と、いしいしんじの「ぶらんこのり」という本を
私はアメリカでほぼ同時期に読んだのだけれど、
その時の鮮烈な感動を私はいまでも覚えている。

「やられた」

と思ったのだ。
こんなに素敵な作者達を、こんなに素敵なお話を、
今まで知らなかったなんて随分人生の時間を損してしまった。
本気でそう思った。

以来、この本は私の中で宝物のようになっていて、
大事な人のお誕生日に贈ったりと、
色んなところで活躍している。

内容は主に書いてある通りで、
こういうデータベースにしては本当に上手く書いていると思う。

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内容(「BOOK」データベースより)
海辺の高校で、同級生として二人は出会う。周囲と溶け合わずイラストレーターの叔父だけに心を許している村田みのり。絵を描くのが好きな木島悟は、美術の授業でデッサンして以来、気がつくとみのりの表情を追っている。友情でもなく恋愛でもない、名づけようのない強く真直ぐな想いが、二人の間に生まれて―。16歳というもどかしく切ない季節を、波音が浚ってゆく。青春小説の傑作。

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この話、最初の一章だけで本来終わる予定の短編だったのだそうだ。
だがその評判があまりにもよくて、
数年たってからその続編というかたちでその先の章が加えられて
今回の一冊の本となっている。
なので、最初の章とその後の文体に随分と開きがあるので
ちょっと戸惑う人がいるかもしれない。
また、一章目の、「現代口語調」なあまりの文体に、
好き嫌いがかなりわかれて、最初の数ページを読んだだけで誤解して
立ち読みだけで辞めてしまう人もかなりいるのではないかと私は危惧する。
でも敢えて声を大にして言いたいのです。

そこからが始まりなんだってば!と。

(うちの母親なんて典型的なその一人で
「お母さんこういう文章ってあわなーい」とかって最初の5pで投げ出しかけた。
その後浸ってましたけど(笑))


・・・で、冒頭の私の言葉に戻ってください(笑

本当に、読み終わった後に宝物にしたくなる本です。
絶対、読むべき。


どうして95ヨンダラーなのかは、
ハードカバーの時の表紙のほうがずっと好きだったから(笑
ちゃんとアメリカからつれて帰ってきて今も手元にあります^^

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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
テッセイだよ (たぶー)
2006-11-20 18:50:24
やはりなんといってもテッセイです。
絵描きで病気で不器用なおっさん。
思わず初っ端から泣かされました。

それがああいう展開になるとは。
おじさんは結構はずかしい。
16歳はむずかしい。
質問です。 (ぽれぽれ)
2006-11-21 00:40:31
表題とはぜんぜん関係なのですが「95ヨンダラー」って意味なんですか? 以前から気になっていたいたのですが今日は思い切って聞いてみました。 高校生時代でも恋愛からは程遠い所で生活していたので解らないけど、興味はあるので本屋で見つけたら購入します。
いいなぁ。 (kenta)
2006-11-21 13:08:05
高校生に戻りたいなー。
モテたあの頃!(注:記憶は美化されております)
読んでみますね。
最近、余暇時間とは反比例して読書欲が出て大変です(笑
文庫~ (Earth.)
2006-11-21 21:05:39
その昔w、しまりすさんに勧められて読んでみたこの本、
文庫化されたんですねぇ~。
また読み返してみようかな…♪
きゅんとなるよね。 (しまりす)
2006-11-22 16:28:19
たぶーさん>
たぶーさんもあれだね。
怖いりんごの顔を怖くなく描いてあげられそうだね(笑
ついついはずかしくなるほど純粋な時間が
ここまで純粋に書かれていると
確かに読んでていても
「うおー!」とかいって転がってしまうけど(笑


ぽれぽれさん>
思い切って聞くのは大切なことですね。
新人のうちに聞いておかないと後では聞けなくなるからね、ってよく新人にお説教ぶっこいていたしまりすです。
さて、一応「最近読んだ本」カテゴリーの一番最初にさりげなく書いてあるのですが、
最近同じ質問をQちゃんさんにもされてお答えしたので、それをそのまま引用させていただきます。

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ちなみにヨンダラーですが、気に入っていただけてありがとうございます(笑
そういわれて見ると誰にもつっこまれなかったということに気がついてしまいました。
一応、「最近読んだ本」カテゴリーの最初の記事にこんな風にしるしてあります。


ヨンダラー=しまりす通貨。最高100ヨンダラー。


(爆)
無論「読んだら?」からきておりまして、
どんだけお勧めか、という気持ちを込めての通貨になってます。
こんくらい払っても買う価値があるなあ、と、いうようなかんじです。

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読んだら?と、ダラー(Dollar $)がかかっているという、
さすがオヤジギャグ部のしまりすでしょう(笑

ちなみにしまりす国には、
他にも通貨がありまして、
「タベタラー」とか「ノンダラー」とか、
色々と楽しい国になってます(笑


ちなみに高校時代に恋愛から遠かろうがなんだろうが
今結婚して幸せにお子さんと暮らしているんですから
問題ナッシング、結果オーライじゃないですか。
ほほほ。


kentaさん>
それよりぶらんこのりの感想をちょっと聴いてみたかったりして。
ちなみにぶらんこのりを読んだ後は、
いしいしんじ物ならば「麦ふみクーツェ」をオススメします。
これも文庫になってくれてびっくり。
私の「最近読んだ本カテゴリー」でも書いてますので
参考にしてくださいませませ。


Earth.さん>
おにょー!
ご無沙汰しております^^
お仕事相変わらず頑張ってますかー?
文庫化されましたよー。
最近児童文学家の地位ががんがん上がってくれてて本当に嬉しいかぎりです。
それまでがなめられすぎでしたからね。
何度読んでも最後できゅんとしてしまうしまりすなのでした。
「ぶらんこのり」の感想って (kenta)
2006-11-24 15:30:38
上手く言えないんですけど。。。
好きな曲で「防波堤で寝そべったら 夜空に落ちそうになった」
という歌詞があるんですが。
何というか、ずんずんハマりながらぐるんぐるんと回転するような感じ。
重力が逆転するような。
それがねーさんの言う魔法使いってことなのかな、とも思います。
物語とさらにその中の弟のノートを行ったり来たり。
そしてそのノートに書かれることの深さ。
引き込まれながらも、色々と考えさせられますね。
一定の間隔で読んでいきたいです。
紹介してもらって感謝です!
おお。 (しまりす)
2006-11-24 18:35:43
kentaさん>
うまいこというな、青年!!
おねーさんはちょっと感動。

まあなかなかない世界観を綺麗に書く人だからね。
いっつも何だかちょっと心のどこかが澄むような気がします。
この人の本を読むと。

今後も気に入った作品に出逢えるといいね^^

感想教えてくれてありがとう。
こんばんは♪ (miyukichi)
2006-12-26 21:14:06
 TB&コメント、どうもありがとうございました。

 宝物にしたくなる本って、ステキですよね。
 ほんと、とてもステキな本でした。

 お母様も、結局読まれてよかったですね♪
失礼しました (やまけん(肩の力を抜いて))
2007-08-04 11:28:07
★以前似かかれた記事ですが、私も最近読んだのでTBさせていただきます。
二重送信したようです。失礼いたしました。

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