でもその前に。
何だか無性にコブシが視たくなって、昼食後に、職場近くの公園に脚を運びました。宮沢賢治が愛したマグノリアの木は、どこだ?
あ、あった。コブシ(辛夷)!
学名の“Magnolia kobus”とは“マグノリア(モクレン属)のコブシ”。つまり日本語の音がそのまま採用されたようで。
賢治の童話『マグノリアの木』の中では、
けわしくも刻むこころの峯々に いま咲きそむるマグノリアかも
という作中歌が織り込まれています。そのほかにも、
けはしくも 刻むこゝろのみねみねに うすひかり咲くひきざくらかも
などという短歌も作っていますから、コブシというモチーフにずいぶんとこだわりがあったようです。確かにこの花の白には不思議と心惹かれますものね。
そうそう―
コブシには別名がいくつもあるそうで、先の短歌の「ひきざくら」のほかにも、「田打ち桜」とか「田植桜」、さらには「種蒔桜」などとも呼ばれるそうです。つまりこの花は農作業カレンダーそのものだったと。
同じ公園内にはオオシマザクラらしき桜の木が。こちらも今が盛りとばかりに咲き誇っていました。葉っぱの匂いをかいでみたら桜餅の香り。(笑)
ところで、コブシが「サクラ」と呼ばれているところから案ずるに、「サクラ」はもともと花の(種の)名前ではなく、花がたくさんついている様子を指した言葉だったのかもしれませんね。サクラ・さくら・咲く等…
あ、最後のくだりはまったくの余談ですけどね。
最新の画像もっと見る
最近の「生きとし生けるもの」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事