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【アホかぁぁ!④】世界の大失敗ビフォーアフター事例!【まぁ、なんと言う事でしょう…(涙目】 第4回(5回シリーズ)

2017-07-16 01:20:06 | 歴史

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(担当S)

 
※本記事は2016/12/23に投稿した記事に、修正を加えて再投稿したものです。


 某テレ朝の人気番組「劇的ビフォーアフター」が何だかよく分からない諸事情により打ち切りになったようですが、この番組には失敗したリフォーム事案と言うのが結構あったみたいです。
 それで打ち切りになったがどうかは分かりませんが、世界には更に凄すぎるビフォーアフターの失敗事例と言うのがあるようです。
 そこで今回は世界の大失敗ビフォーアフター事例を、担当Sの独断と偏見で選んで紹介していきたいと思います。
 
 ■「犯人は誰やぁ!?責任者でてこぉ~い!」世界のぶっ飛び大失敗ビフォーアフター事例 第4回(5回シリーズ)
 
●灯台だった頃の自由の女神像(ニューヨーク)
 アングルと光の当たり方の関係でなんだか恐ろしげな感じになっていますが、上の写真(※PCで閲覧している場合は左の写真)はかの有名なニューヨークの自由の女神像の、1984年以前の姿をカメラに収めたものです。
 パッと見た感じ、現在の自由の女神像と何も変わっていないように見えますが、大きく違う所が一箇所だけあります。それは自由の女神像が掲げている松明(たいまつ)です。
 松明を良く見たら、黒い線が何本も縦や横へと松明を包み込むように走っている事にお気づきになると思いますが、1984年までの自由の女神像の松明はガラス張りになっていて、中に仕込まれた白熱灯と水銀灯からなる合計19,600ワットの照明により満月の2,500倍の明るさで輝いていました。
 実はこの頃の自由の女神像は灯台としても機能していたのです。
 しかし現在は灯台の役割を終え、このガラス張りの松明は1984年から1986年に実施された大規模なリニューアル工事の際に銅のボディの上に金メッキを施したものへ交換されています。
 上の写真(※PCで閲覧している場合は右の写真)は1984年まで使われていた松明を左に、現在の松明を右に配置した比較写真ですが、こうして見ると両者の違いは一目瞭然です。
 では、どうして右側の松明に交換されたかと言うと、ガラス張りの松明には、聞くも涙、語るも涙の数々の欠陥があり、それを見過ごす訳にはいかなくなったので交換を余儀なくされたのです。
 その欠陥を説明する前に、どのような経緯で自由の女神像の松明がガラス張りになったのかを説明させて頂きたいと思います。
 自由の女神像はアメリカの建国100周年にあたる1886年にアメリカとフランスの民間合同プロジェクトとして、ニューヨークのベドロー島(※現在のリバティー島)に建設されました。
 世界的に見ても珍しい高さ46メートルもなる巨大な銅像であり、台座部分まで含めた高さは93メートルにも達し、建てられた当時はニューヨークで一番背の高い建築物でした。
 自由の女神像の製作者であるフランス人、フレデリック・オギュースト・バルトルディは当初、自由の女神像をスエズ運河のほとりに建つ灯台としてエジプトに作るつもりだったのですが、財政上の理由からエジプトからは断られ、紆余曲折を経た末にニューヨークに建設される事が決まりました。
 ですから自由の女神像は最初から灯台として機能するように作られていたのですが、フレデリック・オギュースト・バルトルディが灯台を意図して作った光を放つ松明は設計がイマイチだったので、出来立てホヤホヤの頃の自由の女神像は、灯台としての役目を果たすには十分な性能を持っているとは言い難いものでした。
 当時の自由の女神像の松明を描いたと思われるイラスト(※グロテスクな描写が含まれている為、閲覧注意!)が残されていますが、可哀想な渡り鳥達にとっては満月かと見間違うほどの明るさであっても、灯台として使うには照度的に不十分なものでした。
 それでも24マイル(39キロメートル)先まで松明が放つ光が届いたとの記録が残されていますが、米国灯台理事会からは50マイル(80.5キロメートル)まで光が届かないと灯台としては落第と言われてしまい、1902年に自由の女神像は灯台として使われる事が一度、断念されてしまいます。
 転機が訪れたのは1916年、ある大事件によって自由の女神像が大きな被害を受けた事から、話が大きく動きます。
 自由の女神像があるリバティ島のすぐ隣にブラック・トム島と言う名前の島があるのですが、この島は当時、弾薬庫として使われていました。
 なんとも物騒な話ですが、1916年はヨーロッパで第一次世界大戦で行われていた時期とちょうど重なっており、ブラック・トム島にはアメリカが応援していたイギリスやフランスへ送る予定の大量の弾薬が保管されていました。
 この事実を知ったドイツ(※ドイツはイギリスやフランスと戦争をしていた)の工作員がブラック・トム島に侵入。保管されていた弾薬の全てを爆破します。
 この時の爆発のエネルギーはマグニチュード5.5にも達したとも言われ、100キロメートル以上離れたフィラデルフィアでも揺れが感知されるほどでした。
 目と鼻の先でこんな巨大な爆発がありましたから自由の女神像が只で済むはずが無く、背中には黒い焼き跡が残り、松明を持っている右手は根元からぐらつくほどの被害を受けました。
 早速、復旧作業が開始されますが、この時に灯台としては暗すぎた松明に大幅な改造を施すことが検討されます。
 誰に松明の改造を任せるかと言う話になった時に白羽の矢が立ったのが、後にラシュモア山の彫刻で有名となる彫刻家、ガットスン・ボーグラムでした。
 ボーグラムはそれまでの複数の丸い明かり窓が松明の下の方にサークル状に配置されていたデザインを廃止して、松明そのものをガラス張りにして明るさを稼ぐ事にしました。
 新しくガラス張りになった松明の中には250ワットの白熱灯を246個も取り付けて、合計61,500ワットもの照明で照らす事にしました。これで明るさについてはバッチリです…
 …と、ここで少し思い出して欲しいのですが、1984年頃の松明の中の照明は何ワットだったでしょうか?
 合計19,600ワットでしたよね。
 なのにボーグラムは、この3倍以上もの電力を持つ照明を取り付けようとしていたのです。
 何か悪い予感がしますよねぇ…
 ブラック・トム島の爆発により大きく傷ついた自由の女神像の復旧作業が終わり、新しくガラス張りになった松明に明かりが灯されましたが、すぐに思いもよらなかったトンデモない事実が判明することとなります。
 なんと合計61,500ワットもの強烈な照明が発する莫大な熱のせいで、松明そのものが溶けそうになったのです。
 そもそも普通の灯台に使われる照明はせいぜい2,000ワット位なのに、同じ目的を成し遂げるのに合計61,500ワットもの照明を使うのは、過剰すぎるのもいい所です。
 実は普通の灯台がレンズや反射鏡を上手に利用して光を遠くまで飛ばしているのに対して、ボーグラムが新たに作った自由の女神像の松明はレンズや反射鏡を使わずに、ひたすら強烈な光を作り出して遠くまで光を飛ばそうとしていたので、過剰なワット数の照明を必要としていたのでした。
 この失敗を受けて、普通の灯台のようにレンズや反射鏡を使ったらどうだ、と言う案も出されますが、自由の女神像の美観を損ねるとしてこの案は却下されます。
 結局、松明が溶けないギリギリのところまで照明の電力が落とされる事になり、色んな試行錯誤を重ねた結果、1945年にその後39年間も使われる事となる、合計19,600ワットの白熱灯と水銀灯から構成された照明へと落ち着きました。
 以前のフレデリック・オギュースト・バルトルディ作の松明と比べたらだいぶマシにはなったものの、当初予定されていた明るさに比べたら電力を落とされた分だけ松明は暗くなってしまいました。
 これだけでも何ともトホホな話ですが、実はまだトホホな話がこの松明には残っています。
 ボーグラムが作ったガラス張りの松明は気密が甘く、雨や雪が降ると必ず松明のどこかで雨漏りが発生しました。 
 その為、このガラス張りの松明が撤去されるまでの68年の間、松明から侵入してきた雨水が自由の女神像を内部から腐食させ、末期には大変深刻な問題だと認識されるまでになります。
 1984年から実施されたリニューアル工事で、自由の女神像の腐食を食い止めるにはガラス張りの松明の撤去しか方法が残されていないと判断されてしまい、それまでの光が燦々と輝く松明を諦めて雨漏りを起こさない現在の銅のボディに金メッキを施した松明への交換が決定されてしまいます。
 この時に自由の女神像の灯台としての役目も一緒に終わりを告げたのでした。
 現在の新しい松明の根元にはスポットライトが仕込まれているいるので、夜間になるとライトアップされて輝きますが、以前のガラス張りの松明みたいに松明そのものが燦々と光を放つと言う事は無くなってしまいました。
 世界で最も有名な銅像の一つとされ、トホホ要素とは全く縁が無いように見える自由の女神像にこんなトホホな話が隠されていたなんて、世の中、本当に何があるか分かりませんね。
 
 
 
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2 コメント

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こちらこそ (SHIKIBUさんのブログ別館(担当S))
2016-12-14 20:59:30
>Unknown (テクテク)
>
>登録ありがとうございます。(#^.^#)

こちらこそ、わざわざご返事ありがとうございます
☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
Unknown (テクテク)
2016-12-14 19:13:59

登録ありがとうございます。(#^.^#)

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