かめよこある記

~カメもタワシも~
To you who want to borrow the legs of a turtle

飯高檀林を歩く

2020-08-23 23:40:25 | かめよこ話

  雨が降るにしろ、日が照るにしろ、極端ばかりでうんざりな今日この頃。
 思い立って、日本最古の大学といわれる飯高檀林(いいだかだんりん)跡周辺を歩いてみた。
 幾度か立ち寄ったことはあったが、今回は講堂に近い北側ではなく南側の駐車場から少し広範囲に歩いてみようと思った。
 民家の通りをしばらく歩いた先の総門をくぐり、巨木のあいだを抜けると飯高寺(はんこうじ)の大きな屋根がみえてくる。


講堂


鼓楼


鐘楼

  鼓楼わきの階段を降りて、再び民家と田園風景のなかの舗装路を歩く。
 田んぼを風が吹き抜けてきたが、暑さには勝てず、天神の森の標識をスルーして飯高神社(いいだかじんじゃ)の方へ。
 照り返す坂道をのぼっていると、ペシャンコになったカエルの干物が目にとまる。それは倒れた小さなひとの形に見えなくもなかった。
 濡れタオル(振るとたいそうクールになるというフレコミだったが、文字通り濡れタオルという他ない)に飲みかけ(!)のペットボトルのお茶とは、あまく見ていた。後で知ったとはいえ、最高気温を記録した日だ。 
 いつのまにか昭和や江戸の時代に紛れこんでいたとしてもおかしくはない神社へと続く山道。その時代にないものがあるとすれば、この暑さだったろうか。



飯高神社

  老朽化した飯高神社は、多くの木に支えられて建っていた。
 神社の周囲には、パウチされた小さな説明文がいくつも括りつけられていたが、暑さで読む気にもなれない。(もともとから読む気がないという説もある)
 木のベンチで休み、案内所でもらったパンフレットをみる。やはり、素通りしてしまった天神の森が気になる。
 案の定、ペットボトルは空になっていた。疲れの回復を待って、さっき来た山道を戻る。
 疲れのせいだろうか、気づいていたはずの蜘蛛の巣を頭にかぶってしまった。気をつけなければ。まったくお互い害にしかならないことだから。


天神社

  ようやく辿りついた天神社の鳥居から天へと続く非情階段。
 気力を振り絞って登った先で出会ったのが、うねるように天にむけて踊っているかのようなスダジイだった。
 スダ爺と呼ばれるからして、かなりの齢には違いないが、このような巨木を前に、人間でいえば何歳かと考えてみたところで意味はない。
 ひっそりとした天神の森は、落ち葉のあいだを行き交うアリたちでにぎわっていた。
 スダジイから手のひらいっぱいに気をもらった。

 


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