視人庵BLOG

古希(70歳)を迎えました。"星望雨読"を目指しています。
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次世代に語り継ぐもの(中近東文化センター)

2008-05-18 17:35:04 | 西アジア・中央アジア
今月(5月17日)は
女子美大教授 勝又俊雄が語る
古代地中海の世界ー地中海をかけめぐるワイン運搬容器アンフォラ

案内ホームページより
「運ぶ手段を意味するギリシア語アンフォラは、古代オリエントのカナン人によって考案されて以来、エジプトやギリシアに伝わり安価かつ容易な液体の運搬および貯蔵用として古代から中世にかけて広く使用されてきました。ワインを運搬する際には、現在のボトルのようにワインと共に販売されました。それならば、沈船で他のアンフォラと共に発見された当館所蔵のアンフォラは何をどこに運ぼうとしていたのでしょうか。」

 「次世代に語り継ぐもの」は毎回、展示物の前に椅子を並べ、展示物に関連したレクチャーを1時間ほど聴くというセミナーで、講師との距離感もよく、関連展示物も傍にあるという設定は大変気にっている。

今回はスペイン沖の難破船から引き上げたられたアンフォラ
展示物の横に説明として掲げられている引き上げ当時の新聞記事に勝又先生が疑問を投げかけ、アンフォラについて解説していく。

アンフォラは主にワインを運搬する容器で、アンフォラの取っ手の部分にはワインの出荷地、年度が刻印されており、運搬されているワインの品質を保証するものだったとのこと。

ギリシャ時代、各生産地のワインごとにアンフォラの形態は違い、クドニス、ロードス型アンフォラに詰められていたワインは安価なワイン、タソス、レスボス型アンフォラに詰められていたワインは良質ワイン、そしてキオス型アンフォラに詰められていたワインは最高級とのこと。
そしてワインは水で割って飲み、ヴィンテージ物(年代物)ワインはなかったなど大変興味深い話が聞けた。
次回、この種のテーマのときは是非ギリシャワインを飲みながらお話を聞きたい(笑)

アンフォラは一度ワインを運搬したら使い捨てだそうで、その形態や柄の刻印から考古学的な年代同定ができることが重要であるとのこと。
研究者が世界中にも数名しいないなど貴重な話を聞くことができた。



P.S.
勝又俊雄先生、何処かでお見かけしたなと思っていたら、数年前、杉並科学館で「ギリシャ美術と星座ーアンドロメダ神話とその絵画表現について」という講座を受講したことがありました。

次回は6月28日(土)辻村純代が語る「葬送用彩色船模型」

以降のテーマ http://www.meccj.or.jp/web-content/katarukai/katarukai.html

コメント
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