視人庵BLOG

古希(70歳)を迎えました。"星望雨読"を目指しています。
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奈良大和路の旅

2005-12-02 04:27:29 | 読書
先週末、ロードスター仲間が主催した奈良大和路を巡るツーリングに参加してきました。
朝は少し寒かったですが天候には恵まれ、晩秋の室生寺、箸墓、石舞台、法隆寺などをゆったりとしたペースで巡ることが出来ました。
なかなか風情ある泊まった宿(写真)は長谷寺近くの、そろそろ新興住宅街になりつつある場所にあるのですが、それでも夜空は真っ暗でオリオンの短剣部分もはっきりと見えるような星空を楽しめる所でした。

実は小生、先のりして酒船石と橘寺の二面石を見に行ってきました。





酒船石は万葉文化会館の裏手の丘の上にあります。
飛鳥に多く見られる用途不明の石造物です。
以前きた時とは違ってすっかり丘を登る道なども整備され”観光地”になっていました。









万葉文化会館建設中の2000年に建設現場付近で発見された、亀形と小判形の石造物を中心とする遺構です。上の酒船石と何らかな関係があると思われます。
この付近は斉明天皇の「両槻宮」跡ではないかとも考えられています。
以前、発掘調査が行われているときに見学したことがありましたが、現在は有料の観光スポットになっていました。
参考:Welcome さくらい







聖徳太子生誕の地として有名な橘寺の境内にある二面石です。
この石造物はもともと橘寺にあったものではなさそうで、何か仏教にはそぐわない雰囲気です。








これらの遺跡を見に行ったのは、実は松本清張の「火の路」を旅行前に読み返したからです。
松本清張はこの小説で「飛鳥の謎の石造物は斉明天皇紀に渡来したペルシャ人がゾロアスター教の影響を受けたこれらの石造物を作ったという仮説を出しています。
日本の古代史の専門家からはまったく無視されている仮説ですが、この小説を読んで小生、飛鳥時代や日本の古代史に興味をもつようになったのでした。






(追記)
この小説は飛鳥の謎の石について、本文内で紹介されている過去の論文、資料より、気軽にその概観を得るには都合のよい本です。(昭和50年出版)
もちろん亀形と小判形の石造物などは執筆当時発見されていませんでしたので、松本清張ももう少し長生きしていれば別の見解をとったかもしれません。
最近の概説書(2001年発行)には「飛鳥ー水の王朝」があります。
これにも飛鳥の謎の石についての記述があります。
ご一読ください。

飛鳥―水の王朝

中央公論新社

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