司法制度に喧嘩を売る。

動き出した司法改革。
法科大学院生が感じる、新司法制度の抱える問題をぶっちゃけトーク。

「ロースクール崩壊不安」(AERA 2005年4月18日号)

2005-04-30 01:12:58 | 最近の新聞・雑誌より
『崩壊』以前に、きちんと制度設計をせずに見切り発車してる訳ですから、このタイトルは…どうなんでしょうねぇ。
ロースクール制度は最初からぶっ壊れている面や矛盾している面がありますし。自分はその辺を承知で入学しましたので、別に「騙された!」と思ったりはしていませんが。


内容は実際の記事を読んでみてください。ここでは内容を取り上げるのではなく、それに対する批判・同調・補足をしたいと思います。

【厳格な成績評価】
うちのロースクールでも、必修科目の実定法科目を中心に、厳しい判定がされたみたいです。ある法律科目は、当初6割の学生に『不可』を出す評価をしたところ、色々な圧力(?)があって採点基準を改定した、との噂。それでも、2割程度の学生が『不可』と判定されました。最終的には再試験で何とかなったそうですが、入学早々のショック療法なんでしょうか。
さらに、数少ない教養科目にも大量虐殺(!)が出て、学生は大騒ぎになったらしい。「採点基準を明確に示せ」と事務に詰め寄った一部学生もいるとか。

別に「厳格な成績評価」自体を悪者扱いしているのではないんですよね。ただ、なぜ自分が単位を落としたのか分からないまま『不可』を食らうのはイヤですし、ただでさえハードな時間割設定の上に再履修科目が増えるなどありえない訳です。それを避ける為に皆必死こいて勉強したのに、必死こいたのに『不可』か!?…となってしまうんですね。

【ロースクール・ランキング】
この記事には、LEC(東京リーガルマインド)が作成したランキング表が掲載されていますが、こんなの意味ありません。
なぜなら、まだ2年分しかデータの蓄積がない状態で作成されたものですし、1年目と2年目では適性試験の問題傾向や平均点、各ロースクールの入試問題・選抜状況・入試日程など、異なる点が多くあります。実際、自ら受験をしてみてそれを強く感じました。
もし法科大学院の受験を考えている方がいれば、こういう予備校のランキングや予想足切り点などは信用しない方がいいです。自分が入学したいと思えるロースクールを受験して、合格できるように精一杯努力すれば、予備校の予想を超える結果が出ますよ。

【学費】
学費が高いのは事実です。各校とも独自の奨学金や日本学生支援機構(旧 日本育英会)の奨学金を用意しています。定員数は少々余裕がある設定になっているんでしょうか、大体の人が申請すればもらえる様ですね。
自分も奨学金をもらう予定です。でも、奨学金は結局借金ですから、その金額を見るとうんざりしてきます。学費や教材費などを賄う為に申請を出しましたが、卒業時には600万円前後になります。

10年後、金になる依頼しか受けない弁護士にはなっていたくないものですが…どうでしょうか。



その他の内容に関しては、追々書いていきましょう。

開設記念、一発目。

2005-04-28 04:16:47 | 個人的なつぶやき
ブログのタイトルは非常にアグレッシブですが、別に誰かに損害を与えたり、自らが何らかの利益を得ようとする意図は全くありません。

鳴り物入りでスタートした司法制度改革。そして、その目玉として2004年度から導入された法科大学院+新司法試験制度。
準備段階のゴタゴタを振り切ってとりあえず見切り発車してみたものの、意外に内部の人間以外はその実情を知りません。

十分な準備が出来なかった教員や十分な準備をしてこなかった教員、新司法試験の問題傾向や合格後のビジョンが見えない中で日々苦闘する法科大学院生、設立当初の想定から乖離していく事に気づかぬふりをし、二枚舌・三枚舌化(もっとかな?)していく行政など…。

巷の新聞・雑誌では司法制度改革に関する記事が時々登場しますが、その中には法科大学院の実情をきちんと理解しないまま作成されていると思われるような内容まで存在します。

自分たちが自ら「こんなに頑張ってます!」「ココがおかしい!」と主張するのは奇妙な状況かもしれませんが、誰も言ってくれないのなら何も改善されない気がしますので、こんなちゃっちいブログを立ち上げた訳です。

将来的には、様々なロースクール生のコメントを集めて、何らかのアピールになるようなサイトになればいいなぁ…と夢を見ながら、ちょこちょこ書き足していくつもりです。

単なるリポートに終わらず、まるで司法制度改革に喧嘩を売るが如く、辛辣な意見を包み隠さず表明していく所存ですので、もし何かご意見・ご感想がありましたら、どしどしコメント・トラバ等で反応をしてください!

司法制度改革に関係している方からの反論とかが書き込まれるようになったら、面白くなりそうですけど、あまり現実味がないかもしれませんね…。


いつまで続くか分かりませんが、息の長いブログを目指し、頑張ります。