漂着の浜辺から

囁きのような呟き。

長い黄昏

2007年09月19日 | 汀の画帳 (散文的文体演習)

長い一日が終わろうとしている
あなたにとってその一日は
どのようなものであったのだろう
あなたの一日は
わたしにはとても美しく見える

穏やかなあなたの水面を時折影が横切る
わたしにはその影を妨げることができない
わたしの手がさらに新しい影を作り出すだけ
それでも影が去った時には
あなたの水面は元のままで
じっと綺麗だ

長い一日が終わろうとしている
長い午後がもうすぐ終わる
日が傾き始めた
少しづつ光が
宇宙の闇の色に溶け込んで行く

わたしは見ていよう
その光が細く薄れそれから消え
風景の中に漂う
柔らかい香りのする記憶となるまで