パリ旅行その７-a ルーヴル美術館（前編）

９時から開館だから30分前には並んでいたい。
８時10分ごろホテルを出てルーヴルに向かう。


パリ市内の朝はさわやか！…
というより昨日の続きのような
ぼんやりした空気が漂っている。





パリに来て以来、夜が暗いのを確認したのは
初日、到着日の夜のイルミネーション・ツアーの日のみ。



夏のパリの夜は９時～10時ごろまでは昼間のような明るさで、
その頃にはホテルの部屋に入ってるし、窓のカーテンも閉めているので、
しばらく夜の暗さを見ていない……。



だから次の朝が来ても、前の晩の夜（の暗さ）を見てないので、
新しい一日の始まり感にちょっと欠ける。





でも、花屋の店先には新鮮な新しい花が出されてるし、
開店前のカフェの店先に並ぶテーブル席にはまだ誰も座っていない。
街の空気も昼間よりはきれいだ。
そんなところに朝を感じつつ、ルーヴルへ向かう。



パリの街を自由に歩きながら、美術館めぐり。
これ、今回の旅行で一番したかったこと。
ホテルのチョイスもこれメインで決めました。



歩いて10分もしないうちにルーヴルに到着。
この辺からもう高揚感が半端ない！



やっぱりねぇ、
パリに来たらルーヴル美術館は外せませんよ。
世界中の最高峰の美術品の宝庫なんだから。
行くしかないでしょ！
ええっ！　何度でも！
だってね、何しろ元が宮殿ですから、
やたらめったら広すぎて、
一回や二回来たくらいじゃ見おーせませんよ！



それに美術品・芸術品って、
一度見ればいいってもんじゃないよね。
何度でも引き寄せられるように見たくなる！


モナリザも、ミロのヴィーナスも…、もう見なくてもいいよね、
と思いつつ、やっぱり足を運んでしまう。
「また会えたわね、私たち…」って会話がしたくて。



そう思ってるのは、私だけじゃないらしく、
いまや世界各国からパリに来た観光客がどば～～～っと
ルーヴルに押し寄せる。我も我もと。



はっきり言ってメチャ混みです！
入場の列に並んでる段階でみんなが殺気だってます。
団体さんの場合は別ルートがありますが、
個人で、当日チケット買って、普通に列に並んでたら、
いらっいらっ…させられるくらい待たされます。



そんな時には　これ！

優先チケットですよ。
（二日目の市内観光の時にガイドさんに頼んでちゃんと手にいれました）



入場はガラスのピラミッド側ではなく、
今回はエスカレーターを降りて地下の入り口ルートへ向かいました。
そのほうが空いてるという情報を得たので。



８時30分、開館30分前。
一般入場の当日チケットの列にはすでにかなりの人の列が！
出遅れた!?　と思いきや、
すぐ横に優先チケット用のロープが張られたスペースがあったので、
すでに来て待ってる人たちを横目に先にどんどん進む。 （ちょっと優越感…）



この優先列には、
すでに６名の外国の方が並んでましたが、
我々もほぼ先頭集団じゃん！　
やったあ＝＝＝＝＝っ！
私、７番め―――！



地下から入るのは初めてだったので、
中の方に興味があって、
すぐ前にいた外国のおばさんの肩越しに、
いや覗き込むように身体を前に思い切り出してたら、


「横入りはするな！」とおばさんが怒った。



自分の行動を詳しく説明する英語力はないし、
めんどうなので、
「ミュージアム・パスを持ってます」と言うと、
「I am」とおばちゃんが言う。
おとなしく後に下がる私。
（ふ～んこの場合　I am.かあ。me,tooじゃないんだ。
とへんなところにこだわりつつ）
（もしかしてアムじゃなくてハブだった？）



するとまもなく、
どこから現れたのかいきなり私の目の前に
中国人の女の人が立ちふさがった。
さっきの英語のおばちゃんの横に並んでる。



英語おばちゃんは私の時と同じように
「横入りはするな！」と怒った。



でも中国のおばちゃんは
「○×△□＠○×△□＠……」と言って後ろに下がる気配なし。



英語のおばちゃんは再び抗議する。
でも中国のおばちゃんは知らんぷり。



英語のおばちゃんさらに語気荒くまくし立てる。
中国のおばちゃんも中国語で負けじと応じる。



すごい！
英語 対 中国語　の喧嘩……。　　
お互い言語は違ってても、
しゃべってる内容はたぶん合ってるっぽい。



しばらくして、
軍配は中国のおばちゃんに上がった。
英語のおばちゃんは、
「オー、マイ、ガッ！」と言って、両手の平を肩まで上げて
あきれた様子。



まあ、ここまでは、
私も、面白いもの見せてもらったし、
一人ぐらい割り込んでも
大勢に影響はないしと黙ってみてました。


でも！　　


いきなり、
並列してる“当日チケット”の列から
別の中国のおばちゃんが、割り込んだおばちゃんに話しかけてきた。
仲良くおしゃべりを始める二人の中国のおばちゃん。
（開館時間になって列が動き出したら、ドサクサに紛れて
こっちの列に紛れ込もうとしてるのは明らか）



二人の間には、先ほどの英語のおばちゃんが挟まれている。
というか、英語のおばちゃんは、これ以上割り込ませるものかと
”当日”と”優先”のロープの境界線のところで体を張って頑張っている。
が、
もう声に出して注意する気はないらしい……。
（二人に増えたらなおさら勝ち目ないしね…）



まあ…、二人ぐらいいいか…とおおらかでやさしい私。



しかし！



あとから現れた中国のおばちゃんが！
携帯を取り出して、なにやら話し出した。



まさか！
別の仲間を呼ぼうとしてる？



冗談じゃない！
これ以上割り込まれたら、さすがの私もキレるよ。
もしかして、日本人だと思って、
どうせ何も言わないだろうとバカにしてる？



そうなったら…、
今度は私の番？


中国語と日本語の決闘をするしかない？　　
（ 英語おばちゃんはすでに戦力喪失で…期待はムリ）



覚悟して身構えてると、
開館の時間になったらしく、係りの人が来て、
“優先”列の入り口のロープを外した。
逆に、当日チケットの列の一番前にはロープが張られて、
ミュージアム・パスを持っている列が優先される。
あとから現れた中国のおばちゃんは、もちろん、さっと、
こちらの列へ。
おみごと！と言うしかないすばやさで。

　　　　<続く>　

（またまた長っ！なので、この回は前編、後編、おまけ編でいきます）
　まだ館内にも入ってないのに…前編終わり）