今回、私たちが訪れた「南京の旅」で唯一の世界文化遺産はこの「明孝陵」であった。明朝の創始者で初代皇帝となった朱元璋と皇后が祀られている墓地である。さすが世界遺産のことはある。私達は濃い緑に囲まれた美しい景観の中に総延長が1,800mもある一本の長い神道(石像路神道と翁仲路神道)をゆっくりと散策した。
この神道の両側には「馬」「象」「ラクダ」「麒麟」「ライオン」などの大きな石像が向かい合って設置されていた。そして道の終点近くの参道脇には「福岡県・江蘇省 友好桜花園」と書かれた巨大な記念の石が置かれていた。この周辺には両県省の友好交流締結を記念して約3.000本の桜の木が植えられている。
ガイドさんの説明によると、現在では桜の木は大きく育ち、毎年春になると桜の花の見頃を迎える。そして多くの南京市民の方々が日本人と同じように桜の花を楽しんでいるという。
「この場所は梅の花の名所ともなっており、梅と桜は美しさを争っていて、日中両国の世代の友好を象徴している」と説明看板に書かれていた。
「明孝陵」の入口。世界遺産のマークが見える。
左から大島先生、教え子の蔡さん、朱さんと筆者。