目覚めよと彼の呼ぶ声がする石田 衣良文藝春秋このアイテムの詳細を見る |
書名 :目覚めよと彼の呼ぶ声がする
著者名 :石田衣良
出版社 :文藝春秋
刊行年 :071130
日付 :2008/04/24
定価 :1,333円
入手法 :図書館
読書ペース/分:2.90P
評価:○
今月 30冊目 今年 138冊目
【書抜き】
*生活は安全第一でもいい。けれども、冒険と発見を日々の暮らしのなかで続け、心の運動を忘れずにいてほしい。
*大事なのは近道しないことではないでしょうか。プロセスをゆっくり味わう。
*ぼくは浴びるように本を読み、音楽を聴き、映画を観ていた。
*人生からムダな買い物と街歩きをなくしてしまったら、どれほど生きることは退屈になるだろうか。
*毎日のルーティンの仕事の中に、ちいさな楽しみを見つける。
*不安でたまらないときほど、自分を投げずに心の奥を深く見ること。自分を知ることほど、勇気を与えてくれるものはない。
*日記を書き始めた当初は、自分から距離をとりたくて、自分のことを「彼」としか書けなかった。
自分がほんとうに望むのもはなにか。何が必要で、何が必要ではないか。社会によってすりこまれた価値観と、自分の価値観のずれはどこにあるのか。人生の目的とはなにか。毎日A4のノートにびっしりと、ときには数十ページにわたって、粘り強く日記を書き続けていく。2ヶ月、半年とたつうちに、彼は「君」になり、一年を過ぎるころにはついに「ぼく」と一人称をつかえるようになった。
自分との距離感をつかみ直して、初めて「ぼく」と書けたとき。そのときようやくぼくは危険な時期をのり切ったのだと今では思う。
*では、なにをすればいいか。こたえは簡単で、肉体と同じように、心だっていつも動かしておく必要があるのです。固まったままの心は、老化も早いもの。人間の精神は適度な運動によって、しなやかさや張りを保つことができるのです。
*実はそのためにこそ、あらゆる文化・芸術というものがあります。すべての文化は心にうるおいをもたらすためにある。
*ちいさい声でいうけれど、受験勉強なんてそこそこでいい。青春をたっぷりエンジョイしながら、一日百ページは本を読もう。おもしろくて、ためになる。それに意外と成績だってよくなるのだ。
*ここだけの話、本の世界の深さ、広さ、おもしろさは、ほかのみっつの総計を軽々としのいでいるのだ。
【コメント】
*石田衣良のデビュー当初からあちこちの新聞・雑誌に書き散らかしたエッセイをまとめたもの。
著者のこの十年のダイジェスト版といった感じの本。
*恋愛について、本について、音楽について、映画について、素顔の石田衣良が語る本音が気持ちいい。
*心をいつも動かしていようというメッセージが一番心に残った。
常に感動していなけりゃいけないってことだろう。
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