3月、4月、そして5月前半も志太泉の売上と前年の同月に比較すると好調である。
ただし、昨年の3月~5月は、震災の影響で大幅に売上が減少していた。
まず、震災による、計画停電、自粛による飲食店の売上減少があり、その後も、被災地支援のための東北地方への酒への需要のシフトが続いた。
他の震災被害のない東北地方の以外の蔵元も多くは出荷が低迷しただろう。
しかし、この被災地支援のため東北の地酒を飲もうという流れで、少なからぬ人がはじめて日本酒を飲んだ方ようである。
その中で少しでも、新規の日本酒の消費者が増えたと解釈すれば、日本酒にも久々のプラス要因となるだろう。
同じようなことが、醸界タイムズ2012年4月27日に書いてあった。
以下は醸界タイムズ記事の要約です。(業界用語は一般用語に変換しました。)
国税庁発表の平成23年度(1月~12月)の清酒の出荷数量は、前年を1.1%増加した。これは、平成7年以来16年ぶりのことになる。消費者の酒離れ、少子高齢化に飲酒人口の減少という逆風の中で、300万石の大台割れ目前(注1)で、減少に一定の歯止めがかかったのは明るいニュースである。
この大きな要因は、東北地方の好調な出荷である。震災被害の大きい宮城、岩手、福島各県は、対前年比114%、105%、100%という好調な出荷を記録し、在庫不足になるほどであった。さらに12月の寒波による需要増加、復興需要による仙台の飲食店市場の活況という追い風もあった。
タイプ別の出荷から見ると、吟醸、純米吟醸、純米酒の高級酒が前年実績を上回り、東北の蔵元支援が数字に表れている、反面、日常的な酒である本醸造、一般酒は減少しており、清酒が日常的に飲まれるようになってきたとはいえない。
平成24年になってからも、1月2月の清酒の出荷は前年同月を上回り、3月も同様であろう。これは寒さに恵まれたという側面が大きい。しかし、東北の蔵元支援により初めて清酒の味を知ったという若い世代も多く、清酒をベースにした和リキュールが女性市場に浸透し始めたという新しい動きもある。
女子会などを通し飲酒需要の増加が期待できる女性の市場に対しては、低アルコール、清酒ベースリキュール、にごり酒等の女性が好む商品を浸透させていく必要がある。
注1 1石=10斗=100升 300万石=3000万斗=3億本(一升瓶1.8Lにすべて詰めたとして) 日本成人人口1億332万人(平成23年7月総務庁統計局人口推計 当然、非飲酒人口を含む)としてざっくり、成人一人当たり一年一升瓶3本消費を大台としているということ。