渋いっ!僕らのTokyo Jazz Cruising♪~今夜も出航!~

Live cafe & bar 池袋Apple Jump(アップルジャンプ)店主の日誌

発見!ブラジリアン情熱シンガー上田 裕香

2008年03月26日 | ラテン/ブラジル系ライブ
停泊地)荻窪ROOSTER(08.3/14)
メインアーティスト) 守 新治(ds)上田 裕香(vo) 二村 希一(pf) 木村 将之(b)

以前、渋谷のバーで偶然知り合った人から推薦されて、太田朱美さんという素晴らしいジャズプレーヤーを知った経緯を「たくましき、若獅子達!」という記事で書きました。どんなに情報が発達しても、結局頼りになるのは、この超原始的な「口コミ」だったりするのをこの時痛感しました。
今回も信頼おける情報筋からの極秘情報を入手しました。都心の、ライブも兼ねているジャズ・ブラジル音楽系のバーGの美しいママさんルートです。

“若いブラジル系のボーカリストで凄い子がいる”という情報をもとに本日訪れたのは荻窪ルースター。

ピアノトリオでビバップとサンバを2曲ほど演奏した後、噂の上田さん登場です。
まずは、ご挨拶代わりに「帆掛け舟の疾走」。この曲はブラジル系ボーカリストの定番曲のようで、一月のボファーナのライブでも2部はこの曲でスタートしました。スピーディーで激しいサンバの名曲で、息継ぎが難しい難曲なんです、とMCで紹介してました。ジャズで言えば、チャーリー・パーカーの「ドナ・リー」みたいな位置づけかな。
いやー、凄い!一曲目から完全にノックダウンです。はち切れんばかりのパワーで会場を圧倒します。
後半はジョビンのスローボッサで「ジンジ」ときて、最後は同じく「トリスチ」で締めくくり。途中から突然「ワン・ノート・サンバ」のメロに代わって、エンディングになったけど、これってわざとなのかな?ドラムでリーダーの守さんの表情がアレ?という感じだったので、成り行きでこうなったような気がします。まあ、そうだとしてもこれもライブならではの楽しみですね。

休憩を挟んで二部で圧巻だったのが、「酔っぱらいと綱渡り芸人」。調べたらエリス・レジーナの十八番で後半から劇的に盛り上がる名曲ですね。
MCによると、ブラジルが軍事政権のとき国外にいた作者が自虐的に心情を歌った曲ということです。
上田さんは、MCが旨く出来ないと言っていましたが、全然そんなことはありません。ちょっとブッキラボーでやんちゃなところがあって、まじめな感じの守リーダーとのやり取りとか、はらはらする場面が有ったけど、ちゃんと伝わってきます。

そして、最後は遊びに来たジャズ・ボーカリストと一緒に、ナシメントの名曲
「Bridges/トラヴェシア」。この飛び入りした方には申し訳ないんだけど、上田さん一人で聞いてみたかったですね。それほど素晴らしかったです。
まあ、この世界では、お互いのライブに飛び入りしながら、経験を積んで良いプレーヤーが育っていくことも事実なので、これは仕方が有りませんね。

アンコールがくるのを本当に予想していなかったようで、メンバーが臨時で打ち合わせ。すぐ近くなので全部聞こえてきます。上田さんはエリントンの「スウィングしなきゃ意味ないね」 をCマイナーでと提案。芸大大学院生のベースの木村さんは自信なさげに首を縦に振らない。時間がかかると会場はしらけてしまいます。するとピアノの二村さんは、イントロだして弾き始めました。そして木村さんは適当に音を拾いながら続き、このエリントンの名曲は大盛り上がりでエンディグとなりました。

沿線のクラブには、二村さんのような、ピアノの達人がたくさんいます。有名なスタンダード曲なら即座に伴奏します。キーの上げ下げも自在です。
ドラマや映画で言う名バイプレーヤー(名脇役)という感じかな。リーダーとして表に出ることはあまりないのですが、仲間の信頼は篤い。
守リーダーも「非常に信頼できる素晴らしいピアニスト」と紹介していました。
こういったプレイヤーがいて初めて、ボーカリストや管楽器プレーヤーが輝くわけですよね。

いやー、やっぱり口コミ情報が一番ですね。素晴らしい情熱シンガーを発見しました。まだ彼女のことがあまり知られていないのか、今日の客数は十数人でした。
それから本人もあまりプロモーションに執着してない感じで、ひょっとすると自分の才能に気付いてない雰囲気も感じます。
もったいないですね。切れずに今はどんどんライブ活動を続けて、力を付けていって欲しいですね。応援しますよ!(といってもここで紹介するとか、ライブを見に行くぐらいしか出来ませんが・・・)

う~ん、こういう発見があるからライブスポットめぐりはやめられません。
“ご乗船の皆さ~ん、情報募集してま~す。”

追記、
上田さんに関しては、以下の記事にて、補足しています。どうぞこちらの方も
ご覧になってください。
J Jazz界は、才女であふれている(中編)~上田 裕香続報~
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