柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

阿川佐和子さんの「看取り記事」を読んで

2020年12月25日 | 
今年5月半ば、新型コロナウイルスが猛威をふるうなか
阿川佐和子さんの、母・みよさん(享年92)が逝去されました。

「コロナ下で認知症の母を看取る。面会はLINE、葬儀はリモートに」の記事が
婦人公論に掲載されました。

私は、気になる記事を記録して、時々読み返します。


お母様は
認知症を患いショートステイを利用したときに、コロナ騒動が起き
自宅へ帰るチャンスを逃したまま
軽い脳梗塞を起こし
面会もままならぬまま亡くなったそうです。

容態が急変し、病院へ駆けつけ
死に至るまでの7時間を
家族で看取ることができ
その過程で死を受け入れることができた、とあり
私の母と時と同じだと思いながら読みました。

アメリカ在住の弟さんのために
病院でのお母様の様子をLINEで
葬儀はお寺からリモートしたそうです。

以下は記事の一部を紹介します

母が亡くなったときは、コロナ禍での葬儀であり、
可能な限り小規模なものにするということはすんなり決まったものの、
問題は母の死を親戚以外の誰に知らせるかということでした。
父が亡くなってから、母を心配して「お母さま、お元気?」と電話をくださる方、
季節の果物を送ってくださる方などが大勢いらっしゃったのです。

せめてその方たちには知らせなければと作業を始めたところ、これがとにかく大変。
連絡先がわからない人もいて、古い年賀状や手紙の類、
品物の送り状などから探偵のごとく調べるわけです。
電話で知らせるにも、相手はご高齢の方が多い。
「まあ、佐和子ちゃん、ご無沙汰してます。お元気?」から始まり
「コロナ、どうしてらっしゃる?」と続き、
そのまま話していると1時間近くかかることも。
1日に4件もこなすと、もうクタクタ。それが何日も続きました。

ただ、回数を重ねるにつれ、これはすごく大事なことだと思うようになったのです。
「いつも送っていただいたチョコレート、母は喜んで食べていたんですよ」とこちらが言えば、
「そうそう、昔、こういうことがあったのよ」と話をしてくださる。
ある方からは、「主人が亡くなってから世間とは無縁な生活をしておりましたけど、
私のことを思い出し、知らせてくださって、本当にありがとう」と言われました。

親の人間関係なんて、知っているようで知らないもの。
私には「誰? この人」という人も、過去をたどることで
「母とはそんなに古くからのつき合いなのか」などと知ることができ、
にとっていかに大事な人かがわかる。
母の人生における人とのかかわりの一端を知ることになるのです。

年をとるにつれて、世間とのコンタクトは少なくなりがちです。
高齢者は社会からのリタイア者という見方をされてしまい、
その人自ら、これまで巡り合った人々との交わりをキッパリ断ってしまうこともある。
それを今さら復活させようというのではありません。
ただ、放っておけば忘れるにまかせて終わってしまう人と人との関係を、
母の死の報告により「つなぐ」ことができたのではないかと思うのです。

葬儀にしても、参列することで久しぶりの顔に会える。
みんなをつないでくれているのは、葬儀の主人公である故人なんですね。

亡くなったことの知らせも、香典返しやお礼状も、面倒くさいけれど、そこには意味がある。
死んでなおの母の教えですね。
そこに気づいたのも、私自身、歳をとって、人生の残り時間が見えてきたからかもしれません。




私がいつもブログに書いている通りのことを
阿川さんは記事の中で主張してくださっている。

体験しないとわかりずらいことなので
あえてこの記事を紹介しました。





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