柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

葬儀の新人さんへ

2008年07月10日 | 葬祭スタッフ
葬儀の仕事って難しいようで、簡単なようで

解りにくい言い方ですが、本音です。

私は普通の主婦から、パートで葬儀社に勤めました
葬儀の仕事が入らないときに、「自治会を廻ってみましょう」って提案して
葬儀社の営業を始めました
お葬式が入ると、制服着て会葬者の案内や、親族のお世話をしてましたが
それも、誰に教わったのでもなく、こうしたら来た方が便利と考えて

数年後に葬儀社のリ-ダーになりますが
驚くことに「葬儀の担当したことない!」
仕事仲間で唯一の経験者は派遣会社経験2年の人だけ
後は、アシスタントと素人だけの葬儀社だったんです

でも、勉強しながら覚えていきました
宗教儀式は導師の方に教わり
葬儀概論(葬儀用参考書みたいな物)を見たり
「葬儀」「フーネラルビジネス」という業界紙を端から端まで読みつくしたり
葬儀の写真を見ると、花の飾りつけ、看板の書き方、社葬の流し方、神前の供物はどんな物を使うのかなんて、調べつくしました

本はどれもアンダーラインだらけ

葬儀社を任されて、確か2ヶ月目にキリスト教の葬儀が入り
ドキドキで教会の役員さんに聞きまくりでした
初めは、心配されたけど、その後はスゴーく信頼していただきました

3ヶ月目に1000人の葬儀が入り、やるっきゃないと乗り切りました
長い行列が出来、力不足で、近所に迷惑かけた所には
すぐに挨拶に出向きました
確か20件くらいお菓子持って廻りましたね

導師が来るたびに、「お教えください」って頭下げて色々教えていただきました
1年後には、どこの導師にも褒めていただける担当者に全員がなりました

ある神道の葬儀で宮司さんが通夜祭(通夜)と葬場祭(告別式)で違う方が見えたことがありました
前夜祭にいらした方が神前の飾りつけ(米、塩、酒、野菜、魚、乾物等)を指示してくださったのですが、葬場祭にいらした宮司さんは、飾りつけを見て「こんな事も知らない馬鹿な葬儀や」と親族の人に話してました
ナンだ!こいつ!って心の中で叫びましたけど・・・
その後、宮司さんによって、それぞれ飾り方が違うことが解ってきました

お寺さんも、キリスト教も新興宗教も皆、導師によって指示が違います

同じ県でも、地域によっても違います
葬儀の習慣も違います


初めは宗教儀式の準備に不安がありましたが、それ以外の対応はどこの葬儀社よりも自信があったので、大した問題もなくやって来れました

大切なのは、宗教儀式なら導師がやりやすい場を作ることです
そして、遺族や親族、会葬者に出来る限りの気遣いをすることです
きれいな案内というよりは、優しくプロとしてのサポートがある案内です
そして、故人や遺族の為の(その人の為の)葬儀をすることです

そのための工夫なら、前代未聞って事でもOKなのです
このブログを呼んでくれてる新米の葬儀屋さんがいたら
参考にしてみてください

ただ、何年たっても「惰性」と「天狗」になってはダメですよ