柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

元気だけど葬式を考えてます

2010年06月28日 | 事前相談・アフターサポート
●孤独死は身近と感じる     60歳以上    43.0%


●孤独死は身近と感じる世帯別調査
                   独り暮らし    65.0%
                   夫婦2人暮    44.0%

●孤独死は身近と感じる理由 
                  独り暮らし 30.0%
                  近所付き合いが少ない 26.0%
                  家族、親せきと付き合いがない 11.0%


昨年、内閣府が行った高齢者の意識調査の結果からの抜粋です。


これと同じような結果が、30代の人達にも見られます。
テレビ番組「無縁社会」で放映されました。
家族がいても、縁が遠くなるのは高齢者ばかりではありません。

昨年から、生前契約を扱い始めています。

昨今、家族に「死」の予感を感じると葬儀社に事前相談に行くことには
なんの抵抗もなくなりました。
事実この形の事前相談が一番多いのです。

「自分はまだ元気だが、自分の葬式を決めておきたい」人達が出始めています。

女性のおひとり様は、以前からこの傾向が見受けられます。
この場合、葬儀だけでなくお墓も用意する人が多いし
マスコミでたびたび取り上げられる「遺品整理」まで考えています。

しかし、ネットで問い合わせしてくる人に見られる傾向で
家族がいても「自分の葬式の準備」を考える人が急増しているそうです。

家族と疎遠ということより、家族に負担をかけたくない人々が行動を起こし始めています。

遠い将来の葬式を決めるのに細々としたことを決めても、あまり意味がありません。
10年、20年先かも知れないのに
今の葬儀内容と同じ訳はないでしょう。

それなら、基本だけ決めておけば良いと思いませんか?
葬式の基本と言えば
搬送~安置~火葬~収骨、です。

もし、ご家族がいた場合は
ご本人に特別なこだわりがないのであれば
死んだ時に、家族がどう送りたいか決めればいいのです。

火葬だけ、なのか
普通の葬式をするのか
親しい人だけのお別れ会なのか・・・


そこで
シンプルな基本を商品化して生前契約を作ってみました。

生前契約の基本パックです。


フューネラルビジネス講座を前に

2009年06月24日 | 事前相談・アフターサポート
明日はフューネラルビジネスフェアが開催されます。

私はその中で「生前契約とアフターサポート」の重要性について
講演します。

何でも21講座の中で一番人気だそうです。

とっても残念ですが、私が人気者なのではな
話す内容に人気があるのです。

葬儀社は、会館で独自性が出せなくなり
家族葬ばやりで、それも他社と一緒。
返礼品や料理も話題になるような事はなく
葬儀内容も司会もメモリアルコーナーも
皆、どこでもやっていることで
お客様から選んでいただく理由が見当たりません。

そこで今話題になってきたのが
「生前予約とアフターサポート」なのだと
感じたようです。

何をやっても、形だけまねるのなら
これも、同じ運命をたどります。


右も左も「生前契約をします」
「アフターサポートをします」になってしまいます。

このサービスが当たり前になるのは
とってもいいことだけど
何の為にこのサービスが必要なのかを
わきまえないと
結局、一般の方に普及はしないでしょう。

生前契約は、葬儀社にとって
将来のお客様を確保することではありますが
その前に
いつ亡くなるか解らない契約に対して
将来に及ぶまで、葬儀社を健全に運営し続けて
お客様との葬儀の約束を守ることに
大きな意味合いがあります。

お客様の将来を保障する義務があるということです。

その事を覚悟して生前契約を行なわないと。

アフターサポートも
遺族にとって便利でしょう。だけの理由では有りません。

葬式後に初めて家族を失った悲嘆に気付き
その中で、やらなければならない事が
次から、次へと押し寄せ
いつしか心も体も不調になってしまう。

その遺族にとっての
式後の大変さを理解する所から
このサポートは出発します。

そのケアの下地がしっかりしていてこその
アフターサポートです。

明日、皆さんに
その辺をどこまで理解していただけるか?

大きな責任を感じます。



生前契約は葬儀社さんへの刺激です

2009年04月01日 | 事前相談・アフターサポート
今日のブログは葬儀社向けの刺激です。

葬儀社の立場では、葬儀の前のサポートって生前相談や葬儀の情報提供なのですが
具体的に、将来の葬儀の施行を確約することを生前契約と言います。

葬儀社は生前相談はしているけれど、契約書を交わして確約をすることをしていません。  詳しく言えば、ほんの数社しかしていません。

何故?
契約書作成は司法書士や弁護士などの専門家が作成するのです。
葬儀社だけではできません。

将来に発生する施行なので、見積が立てにくいです。

支払い方法が難しいです。
現金を預かっておくのも、将来に支払ってもらうのも
葬儀社単独では安心できません。

それに、もっと大きな問題は「生前契約をする人がいない」と言うことです。
だから、葬儀社は生前契約を考えないのです。

今の葬儀社は、家族に死が迫ったお客様の相談を受けるに留まっています。

でも私はあえて生前契約を葬儀社にすすめる企画を立てています。

なぜなら
高齢者だけの世帯は急増しています。
夫婦の片方がなくなれば、お一人様になってしまいます。

独身を通している人も急増しています。

離婚をした人も急増しています。

子供がいても、頼りたくない、迷惑を掛けたくない人も急増しています。

そして今の若者は結婚願望が低いのです。

確実にお一人様がこの先多くなるのです。

数年前のデーターですが
高齢者のお一人様は255万人といわれています。
そのうち、男性は47万人、女性は178万人です。

特に、女性は自分の最後まできちんと決めておきたいのです。

しかし、この人たちの受け皿がまだない状況です。

少数のNPO団体や葬儀社があるだけです。

生前契約は葬儀社の将来の安定顧客を作ります。
そしてお一人様は安心を得られるのです。

葬儀社に生前契約を受ける体制が無いので、その体制を提供しようというのが
今回の私の企画です。

現況では、お一人様自体が生前契約など、まだ眼中にない人が殆どです。

しかし、それは需要がない事とは違います。

お一人様に
「生前契約が出来て、あなたの死んだ時も
死んだ後もちゃんとあなたの希望どおりに事が進むのですよ。
その生前契約を近くの葬儀社で請け負ってくれますよ」
と、知らせたならば、需要はおきてきます。

人は誰でも1人で死んではいけないのです。
必ず誰かの手を借りるのです。
そのときに、なるべく迷惑を掛けないように・・・と大抵の人は思います。

かつて、葬儀会館、家族葬、直葬、生前相談が広まったように!
生前契約も徐々にそうなるでしょう。


そして、それよりもっと確実に広まるのがアフターサポートなのです。

次回につづきます

事前相談

2009年03月06日 | 事前相談・アフターサポート
生前相談は生きているうちに、葬儀のことを相談することです。
葬儀までの猶予がそう長くはないので、事前相談とも言われています。

事前相談は
①お医者様に余命宣告を受けた場合、おもに家族の方が葬儀社に相談に来られます。
この場合は、葬儀の手順や予算、お寺の事、ホールの使い勝手などを質問されます。
予約までする方は少ないのですが、葬儀社は自社の会員になる事を薦めたり
見積を立てたりします。

以前は「まだ生きているのに、葬式の相談なんて出来ない」と思われてましたが
今は殆どの方が相談に来られます。
だって、皆さん、葬式のことを詳しく知らないのです。
いくらかかるのか?一番気になるところですよね。
実際に家族が亡くなったら、何から手をつけていいのかも不安です。
前もって知りたいのは当たり前です。

事前に相談に来られれば
その葬儀社の価格帯も、社員の対応も、サービスの内容も
大体知ることが出来ますので、もしここで不親切とか高いと感じれば
他の葬儀社を調べる時間があります。

でも、何も調べないで家族が亡くなってしまった場合は
その直後に葬儀社を決める羽目になります。
病院から故人を搬送する為には葬儀社に連絡しないといけないからです。

病院から「葬儀社は決まってますか?」と聞かれるのは、搬送の為です。
「いいえ」と答えると病院では葬儀社を紹介してくれます。
そしてそのまま、葬儀も頼まないといけないのかと、皆さんは勝手に思い込み?
葬儀社を決めてしまいます。

良心的な葬儀社なら、ラッキーですが、不親切な葬儀社なら悲劇です。
打合せを始めて「この葬儀社は、希望通りにしてくれない」と思っても
ここで断れる人は、まずいませんね。

結局、説明不足だったり、見積と大違いだったりで不満の残る葬式になってしまいます。
高額を支払っているのに不満があっても文句を言わないのが葬儀のお客様なのです。
不思議なことです。だって100万円近い買い物を調べもしないで、買うことって
ないですよね。でも葬儀だけはろくに調べないで買い物します。

みなさんの太っ腹にビックリです。

これは病院紹介の葬儀社だけの問題ではなく
「近所にある葬儀社」とか「駅の前にある葬儀社」というだけで
決めた場合も同じことが言えます。

要は、葬儀はやり直しができないし
高い買い物なので
ちゃんと、事前に調べて決めましょう!が一番です。

そのために事前相談は大切なことなのです。

次のブログでは
②元気だけど自分の葬儀を相談したい人のことを書きます。

また、読んでください。
   

自分の葬儀を考える

2009年02月08日 | 事前相談・アフターサポート
昨日は地域の方に葬儀セミナーをしてきました。

「自分の葬儀を考える」という題です。

昨年暮れに「今時の葬儀事情」というセミナーをしていますが
同じ場所で、2回目のセミナーです。

参加者の8割は以前のセミナーも受けた方でした。
嬉しいですね。
続けて聞いてくださるなんて。

そのせいでしょうか、始める前から
皆さんが私の顔を見てニコニコして下さいます。

思わず「お久しぶりです」の言葉が出てしまいました。

自分の葬儀を何故考えなきゃならないか。

高齢者だけの世帯は、年々増えているのです。
夫婦の片方が亡くなれば、一人住まいになってしまいます。

子供がいても、近くに住んでいるとは限りません。
こんな社会情勢になって、子供に全て託したくても
そうも出来ない世の中になってしまいました。

自分の始末は、結局自分でしなくては・・・と考える方が多くなりました。

「人の世話にはならない」なんて言っても、
死んだら、自分は何もできません。

「人の世話」を受けないと葬儀も出来ないし、お墓にも入れないんですものね。

「でも、出来るだけ迷惑掛けないように、自分が出来る事はしておきましょう」
ということなのです。

これは大事なことだと思います。

自分の最後をちゃんとしておく為には
そこまでの準備が必要になるんです。

そのためには、どうやって生きていくかを考えないと
準備は出来ないのです。

『死』を考える事は『生きること』を考えることなのですね。
そうすると、生きていく時間が大切になるのです。


という訳で、「自分の葬儀」を具体的に考えるテキストを
お渡ししました。

例えば家族葬の目安と一般葬の目安は?
1自分が亡くなったら、義理でも御参りにくる人が多い
2これまで弔事はきめ細かく対応してきた
3喪主になる者が社会的立場があり会葬を断れない

以上の条件があれば、一般的な葬儀のほうが良い。
何故なら、家族葬で行なっても死後に香典を持ってお参りに来る方が多く
遺族が大変な思いをするから。

遺族が、それを覚悟してくれれば
家族葬でもいいと思います。

自分の葬儀を考える時は、一応ここまで考えて見ましょう。

そんな、アドバイスを入れながら『自分の葬儀の小冊子』を作っていきます。

あっという間に、セミナー時間の1時間半は終わってしまいました。

会場スタッフの方から「皆さんがとても良い講演だった」と皆さんが
言って帰られました。と聞き
「良かった」と胸をなでおろしています。

公演が終わってから、「ご無沙汰してます」とご挨拶を受けました。
以前にご主人を遅らせていただいた喪主様がセミナーを受けていました。

ご主人を送って、お母様を送って
今度は自分のことを決めたおきたいと
参加されてました。

実は地元ですでに何回もセミナーを開いてますが
かってのご遺族が来てくださったのは3回目なんです。

皆さん、伴侶を亡くされ悲嘆の時間をくぐられ
しっかり自分の生活をされているのだなー。
だからこそ、ちゃんと「死を受け止めたい」と思われているのだなー。

と、感じました。

こうして皆さんが葬儀の知識を得る事は
自分の希望の葬儀が出来ることなのです。

高い、不親切、希望の葬儀ができない、形式的だ・・・などなど
クレームの多くは、正しい知識を持ってちゃんと希望を聞いてくれる
葬儀社を選んでおけば、殆どは無くなるはずのものです。

そのためにも、葬儀のセミナーや勉強会があったら
聞いてみて下さい。

葬儀の話と言っても結構、面白いですよ。
セミナー中は笑い声がおこります。

一度、聞いてみたいでしょう?

是非是非、いらしてください。

事前相談に来る人は

2008年10月12日 | 事前相談・アフターサポート
医師から病人の余命を伝えられた家族は、葬儀社に相談に来られます。

もちろん、来たくはないでしょうが、死が訪れる事は避けられないのなら
お葬式の事を知らなくては・・・という想いです。

家族の中には、お葬式を体験した人がいないのが現状です。
葬儀社が頼りなんですね。

このご相談に見える方の事を考えて見ましょう。

家族が亡くなのをわかっていて、看病している家族の心労は
大変な物です。

病人が自分自身の死を知っていたら
家族はどんな風に接していたらいいのでしょうか?

ご本人は死を受け入れるまでには
色々な心の葛藤を体験します。

あせり、落ち込み、怒りなど感情の噴出を
受け止めるのは家族です。
本人が迫りくる死に苦悩するのと似た想いを
家族も一緒にしています。

ご本人が死を感じていない場合も
看病する家族は死への恐れを隠しながらの苦悩があるでしょう。

そんな状態の方が、葬儀社に相談に見えます。

死を迎えるのは年老いた人ばかりではなく
働き盛りの人、子育て中の人、まだ先があるべき人、
出来ることなら変わってあげたいと思う子供までいろいろ。

相談に来られた人は一応に落ち着いてみえます。
冷静に話され、必要な情報を聞き取っています。

でも、本来はこんな所に来たくないし
こんな相談はしたくない。

その方々を、葬儀社は優しく迎え入れなければいけませんよね。

お葬式の説明だけをして、終わりではないです。

ここでは、お葬式の事が聞けた。
ここでは、役に立つ情報が得られた。
ここでは、不安がなくなった。
ここでは、嫌な想いをしなかった。

ここに来たことが間違いじゃない・・・と感じてもらえたらいいですね。

誰にも言ってない「家族の死」を伝えた所が
温かいところなら、相談に来た人は
ほんのひと時、ホッと出来ますよね。

最近の葬儀社は「遺族のケア」を重視してきています。
とても良いことですが
実は遺族になる前から、ケアが必要なんです。






事前相談 2

2008年05月03日 | 事前相談・アフターサポート
「そろそろ、お葬式を考えなければいけない」
と身近にそんな気配を感じたなら
私は、やっぱり葬儀社に事前相談に行くことをお薦めします。

知らないのと、知ってるのでは、ぜんぜん違いますから!

何故なら

1 お葬式は高額です
  一般的なお葬式は150万~200万円位かかります。
  その理由は
   宗教儀式があると祭壇や、宗教者へのお礼があります。
    皆さんはよく、宗教なんていらない・・・ていいますけど
    私、多くの遺族を見てきて、宗教ってうまい具合に遺族の不安を
    取り除いたり、悲しみを救っていると感じています。
    故人と言うより、生きている人を救っています。
    無宗教を希望するなら、どんな送り方をするか家族で決めないと後が
    辛いと思う。
   故人や家族に関わりがあれば会葬にこられ、お香典 をお持ちになります。
    それに対して、遺族は料理を振舞ったり、会葬のお礼を出したり
    香典のお返しをします。
    日本人の持つ心遣いで、この習慣は中々、なくなりません。
  (でも、火葬するだけなら20万円くらい出きるんですが)

2 お葬式は突然やってくるんです。
   余命を宣告されてても、家族にとって死は突然なんですよ。
   「今日は大丈夫かと思った」多くの遺族が、そんな気持ちでいます。
   それに、ボーナスが出たから、預金が満期になったからとか
   会社が休みの時、受験が終わってからとか
   そんなに都合よく、時を選べません。
   準備してないと慌てます。

3お葬式はやり直せません。
   なくなっても姿があるから、遺族が思いを込められるんですね。
   感謝や、謝罪や、永遠に別れる痛みを訴えることが出来る。
   葬儀社選びが失敗したからといってもやり直しは出来ませんよ。
   姿がなくなったら、同じ思いは生まれませんから。

だから、慎重に葬儀社を選びたいですよね。
葬儀の情報を得るだけでなく、葬儀社の姿勢も観察しないとダメです。


それには、あなたがお葬式に望むことをメモ書きして相談に行きましょう。
そして、葬儀社の言ったことをメモに残しましょう。



☆あなたの相談してくれる人、以外の人を観察しましょう。
 あなたとすれ違ったり、あなたのいる部屋に入ってきた人は、挨拶をしましたか?
 お茶を出してくれましたか?無言で出しましたか?
 社員同士の話は乱暴でしたか?なれなれしかったですか?

☆沢山の情報を貰いましたか。
 あなたの質問に、的確に答えましたか?
 お葬式の実例を教えてくれましたか?
 お葬式以外の役立つ情報をくれましたか?
 葬儀社のパンフレット以外の役立つ資料をくれましたか?
 
☆葬儀社の館内を見ましょう。
 館内の清掃はきちんとされてますか?
 式場や、控え室、安置室など案内がありましたか?

☆葬儀社に入った第一印象はどうでしたか。
 帰るときにその印象は、上がりましたか?


葬儀社は数社、相談に行きましょう。
比較をしないと、良し悪しが分かりません。
また、あなたの希望を「出来ない」と断られたら、鵜呑みにせず
他社にも聞いてみましょう。
エー!できるの~!  と言うことが良くあります。

お葬式は金額だけで選ぶと、大きな失敗をすることがあります。
安かろう、悪かろうが良くあるんです。
でも、高かろう、悪かろうもあります。怖いですね~。

でも、そんなに不安がらないでください。
今は、しっかり勉強している葬儀社も沢山ありますから。
それに「大切なお客様」と思っている葬儀社も多くなりました。
あなたの大事な家族と大金を託すのですから、それなりの研究が必要です。

私がいいと思うのは
 
 「さすがにプロ」と感じる説明の行き届いた葬儀社
 葬儀社の全員が(事務の人からお掃除の人まで)優しい葬儀社・・・ですね。
 



事前相談

2008年05月02日 | 事前相談・アフターサポート
葬儀社に前もって葬儀の相談にこられることを「事前相談」と言います。

私が以前いた葬儀社では10年前でも、月に10件は事前相談がありました。

私は事前相談にはすご~く自信がありました。
ご相談にさえ来ていただいたら、ほとんどの方が葬儀依頼をくださるんですね。

事前相談には、3種類あるんです。

① 自分はまだ元気、でも子供達に負担をかけたくない。全て決めておくが、まだ
  いつだか分からない。

② 実は医師から身内が余命宣告を受けた。そう長くはないと分かったので、一応
  葬式のことを知りたい。

③ すでに危篤、いつなくなっても不思議ではない。
  とっさの時に、どうするのか。

一番多いのが②です。
この時点でお葬式を考える方が、一番多い。
しかし
潜在的に「うしろめたさ」はあるが、周囲の非難は余り無い。

もう少し他の言い方をすれば、家族の死を受け入れると言うより、葬式への対処を
考えている・・・と言うことです。
家族の死は、頭では理解しても、中々受けとめられません。

ご家族の心境は「死ぬことが分かっていて看病をしている」
結構辛い状況です。
この事実を周囲に言えない場合も多いですね。

きっと、悩んで、意を決してご相談にこられる。
そんな方に、嫌な思いや、相談に来た後悔はさせたくないんです。

温かく迎えて、不安を取り除いていただきたい・・・それが一番です。

はじめての相談で、この方達が聞きたい事は
大まかな「事の流れ」と大まかな「予算」です。

でも、葬儀社の対応は
  「祭壇は白木ですか?生花祭壇ですか?」
  「親族は何人ですか?」
  「会葬者は何人ですか?」
  「香典のお返しはしますか?」
  「どんな葬式にしたいですか?」

こんなことまで、決めて相談に来る人はめったにいませんよ。
相談の第一段階では
「うちのお父さんが死んだら私は何をすればいいの?」
「お父さんのお葬式には一体いくら必要なの?」
・・・・・コレが一番の問題です。

「だって、それには親族数や、会葬者数が分からないと答えられないでしょ!」
 と、おっしゃる葬儀屋さん。

だから、この時点では、そうじゃないんだってば!!!



私の希望は家族葬。でも息子はなんていうかしら?
お父さんの兄弟はなんていうかしら?
私は費用は抑えたいけど、余り質素でもお父さんに気の毒かしら?
でも油断すると、葬儀屋さんは高いものを売りつけるかもしれないし。

こんな言葉が頭の中をグルングルン廻っているんですよ。

そんな時は、この地域の平均的な葬儀費用を教えてくれればいいのにね!

「親族が20人、会葬者が100人の場合、真ん中くらいの祭壇でしたら
○○○万円くらいですよ。この中には葬式の全ての費用が入ってますよ。
香典のお返しも入ってますよ。お寺さんの費用だけが入ってませんよ」

コレを言ってくれれば、一般的な葬儀の費用が分かりますよね。

そこから、自分の希望が上か下かを想像できるじゃないですか。
目安がわかればいいんですよ。

それを聞いて
「じゃあ、親族20人だけならいくらですか?」と先の質問が出てくるかも
知れませんよね。

事の流れも
病院で亡くなったら、先ず何をするのかが不安なんですよ。



すぐに葬儀社に電話してください。
お迎えに伺って、お宅まで、お送りして安置しますよ。
ご自宅が無理なら、当社でもお預かりしますよ。

それから、打合せをしますが、担当者がその都度、細かくご説明しますから
心配しないでください。

コレを聞いておけば
帰ってから、家族と相談しやすいですよ。
葬儀の規模や、人数も家族で話して検討がつきますよね。

大体の骨組みがわかってくれば、また相談にこられます。

でも最初から
どんな音楽が好きでした?
ご趣味はなんでした?
人数によって予算は変わるんですよ。

なんて、余り突っ込んだことを言われてもね。

それより、先ずは聞きたいことに答えてあげてくださいね。
お寺の費用はどのくらい?とか

あくまで平均でいいんですよ。

私達の口からはいえません。何て言わないで。

この辺の平均を知りたいだけですよ。

「葬儀屋さんがいくらといった」
そういわれちゃ困ると考える葬儀屋さんは
そういわれないような説明をすればいいんですよ。

あら、私いつの間にか、皆さん向けで書いてるのか
葬儀屋さん向けで書いてるのか、
分からなくなっちゃいました。

今日は出張帰りで疲れてます。
コレで、おしまいにします。