序破急

片足棺桶に突っ込みながら劇団芝居屋を主宰している爺です。
主に芝居、時々暮らしの中の出来事を書きます。

劇団芝居屋第37回公演「スマイルマミー・アゲイン」物語紹介第二場-1

2019-06-26 21:44:54 | 舞台写真


さて第二場であります。
その日の夕方。
本日スマイルマミーでは通常業務の加えて結婚式の親戚・友人代行業務。



     玄関が開きヘルメットを持った作業着姿の剛史が
     来る。
剛史 「ただいま」
     茶の間の障子が開き、礼服姿の孝雄が茶碗を持ち           現れる。
孝雄 「ジャイアン、お帰り」
剛史 「あれ、孝雄さん、早かったですね」
孝雄 「ああ、メッセンジャーの仕事が時間変更になって早く終わったんだ」
剛史 「なに食べてんですか」
孝雄 「卵かけご飯。食べる?」
剛史 「結構です、披露宴のフルコース料理が待ってますんで」
     剛史、ヘルメットと棚へ。
孝雄 「そう、そうなんだけどね。昼飯抜きだったから目先の食欲に負けてこの始末ですわ」

そそくさと背広に着替える剛史。



剛史 「ええ、代行関係は。孝雄さん、ネクタイうまくいか
ないんです、教えてくださいよ」
孝雄 「ジャイアンも俳優さんなんだからネクタイ位、自分
で結べられないとマスいんじゃないの」
剛史 「そうなんですけど、普段背広なんて着ないから。お
願いします」
孝雄 「僕もあんまりうまくないんだけど・・・やってみ
て」
     剛史、ネクタイを絞める。
剛史 「ここからが分からないんだな・・こうかな」
孝雄 「いや、そうじゃなくこうだよ」
剛史 「こうですか」
孝雄 「違う違う、こう、こう」
     じれったくなった孝雄、剛史のネクタイを結ぶ。
     諦め孝雄に任す剛史。
孝雄 「よく見ておきな。こう、こうして。こうまわして 
こうやって、こう」

そこへ今日の助っ人の便利屋三郎が参ります。
この三郎無類のお人好しでオッチョコチョイ。
この二人のネクタイ関係を肉体関係と勘違い。


    礼服姿で便利屋三郎こと川島三郎が来る。
三郎 「御注文により便利屋三郎まいり・・・オッと!」
     二人三郎に気づき。
孝雄 「あっ、三郎さん」
剛史 「ご苦労さんです」
三郎 「・・・お前達そんな仲だったのか」
孝雄 「エッ、何ですか」
三郎 「いや、その・・・」
孝雄 「わかった」
剛史 「ええ、まあなんとなく。けど難しいですね、ネクタ
イの結び方って」
三郎 「えっ、ネクタイ?・・・」
剛史 「ええ、ネクタイ」
三郎 「ああ、そう。・・・ああ、ネクタイを結んでたの
ね」
孝雄 「そうですよ・・・なにか」

兎に角三郎の様子がおかしい。
何か浮ついているんですな。



三郎 「なあ、俺の嫁さん来てないの」
孝雄 「嫁さん!」
剛史 「エッ、三郎さん結婚してるんですか」
三郎 「・・・バカ違うよ、これの役の」
孝雄 「・・ああ」
剛史 「エッ、誰?」
孝雄 「もしかして恭子さんですか?」
三郎 「ブー!」
剛史 「由美さん」
三郎 「ピンポン!」
孝雄 「ああ、由美さんか」
三郎 「これが一応新郎の友達夫婦って設定な訳よ」
孝雄 「結構お似合いですよね」
三郎 「そうか」
剛史 「馬鹿にうれしそうですね」
三郎 「エッ・・いやそんな。けどこんな事滅多にあるもんじゃねえからな」
剛史 「へエー、ウキウキしてる」
三郎 「バカヤロウ、大人をからかうんじゃねえよ」
剛史 「照れてる、照れてる」

三郎、スマイルマミーの由美に密かな恋心を抱いていたんですな。
まあ、一口に代行業といっても結構難しい注文がありましてね。
ただ出席して料理を食べてればいいってもんじゃありません。



孝雄 「でも今日は楽ですね、食事するだけだから」
三郎 「お前達はな」
孝雄 「お前たちはって、三郎さん、何かあるんですか」
三郎 「あるよ、祝辞」
孝雄 「えっ、三郎さん、祝辞するんですか」
三郎 「ああ、友達代表でな」
孝雄 「ああ、大変だ。・・でも三郎さんが友達代表って随分年齢が・・・ね」
三郎 「そうなんだよ、何でも新郎がバツ2で新婦がアラフォーの初婚のカップルなんだと。だから新郎には出席者はいないし新婦も恥ずかしいからって近親者以外は式には人は呼んでないんだとさ。で、俺達が駆り出されたわけ」
孝雄 「ああ、そうなんだ」


孝雄 「ねえ、どんな祝辞なんですか」
三郎 「どんな・・・へへ」
剛史 「なに、何の話?」
孝雄 「三郎さん、友人代表で祝辞読むんだって」
剛史 「祝辞を?自分で考えたんですか」
三郎 「そんな訳ねえだろう。・・・それが面白いんだよ、新郎がさ、自分への祝辞の原稿書いて来たんだ、これを読んでくれってってな」
孝雄 「へぇ、自分宛の祝辞を自分でね」
剛史 「どんな内容?サブさん読んでくださいよ」
孝雄 「ああ、僕も聞きたいな。お願いしますよ」



三郎 「そうか。そんなに言われちゃな。(ポケットから紙を取り出し)えーと・・・真司君、春子さんご結婚おめでとう。私は川島三郎と言いまして、真司君の高校以来の友達としてこの場に立っております。・・ナッ、ここまでは普通なんだよ。ところが・・このお目出度い席にこの場を借りて私は真司君に一言言いたい。・・ここからよ・・


オイ、真司。ごじゃっぺやってんでねえど。オメ、オラから何回祝儀ぶんどってんだ。今までの事はしゃーねーがもうごじゃっぺ打ち止めにしたほうがいがっぺよ、ってな訳でお二人ともお幸せに。・・と、こう来るんだな」

と無邪気に遊んでいる所へ 仕事を終えた由美が参ります。
というところで二場ー2へ続く。

撮影鏡田伸幸

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