すもーる・すたっふ
”愚直に”Th!nk Different for Serendipity
 



ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する』を読了。少し前に原著『Blue Ocean Strategy』を読んでいたので、大筋は理解していたつもりだったが、やはり日本語だと一気に読めるので理解の程度が違う(苦笑)。
「顧客の視点に立つ(買い手にとっての効用、需要サイドで考える)」とか、「バリュー・イノベーション(価値とコストのトレードオフを否定して、両方を追及する)」が強調されていたが、原著を読んだ時には当たり前のことを言っているように感じていた。今回翻訳版を読んだおかげで、ここがブルー・オーシャン戦略の真髄であることがよくわかった。

巻末資料B「バリュー・イノベーション:戦略の再構築」で述べられている「再構築主義」にブルー・オーシャン戦略の思想が凝集されていると思う。
「構造主義」との比較
構造主義と再構築主義という二つ以上の理論は、企業戦略にとって重要な意味合いを持っている。構造主義(あるいは環境決定論)は、ともすれば「いかに競争すべきか」に主眼を置いた戦略論を導く。市場構造が一定で変わらないとの前提に立って、既存の市場空間で他社に負けないように守りを固めよう、企業に促すのである。企業の戦略担当者は、市場での力を保つため、競合他社よりも優位に立つことを重視する。その際には通常、競合他社の動きを分析して、それよりよく行おうと努力する。市場シェアを高めるための戦いはゼロサム・ゲームとみなされる。他社からシェアを奪わないかぎり、自社のシェアは伸ばせない、というのだ。このため、戦略の重点はいきおい、競争、すなわち供給サイドに置かれる。

再構築主義のもとでは、業界の魅力度はあらかじめ決まっているわけではない。なぜなら、企業が業界の再構築をめざして懸命に努力すれば、魅力度を高められるのである。このようなプロセスを通して市場構造が変われば、そこでのベスト・プラクティスや競争のルールも刷新される。すると、古いルールに基づいた競争は意味を失う。バリュー・イノベーションを目指す戦略は、需要サイドを刺激して既存市場を押し広げ、新たな市場を開拓する。バリュー・イノベーションを実践する企業は従来とは違い、競争相手から富を奪うことなく新たな富を生み出し、顧客に大きな価値をもたらす。このような戦略をとればゼロサム・ゲームから抜け出せ、高い利得が期待できる。

「再結合」との比較
再構築というプロセスを踏むと、業界の垣根を崩し、業界構造そのものを変えて、新しい市場空間、すなわちブルー・オーシャンンを切り開ける。他方の再結合は、技術の可能性を最大限に引き出して、革新的なソリューションを見出すのに役立つだろう。


#関連カテゴリー
★特集:ブルー・オーシャン戦略

本書に関連して、「企業主体の価値創造」から「顧客中心の価値共創」という新しいパラダイムを提示する『価値共創の未来へ―顧客と企業のCo‐Creation』を読んでみようと思う。

#関連リンク(追加)
Never too late. Go for it!:『ブルーオーシャン戦略(斜め読み)




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