これです!

2012年02月29日 | Weblog


▼いまパリ時間の2月29日午前3時55分です。
 きのうは早朝に、パリ東駅から、TGV(フランス国鉄の高速列車)に乗って、もうベルギーとの国境に近いシュー原発を訪れました。
 福島原子力災害をわたしたちが克服していくための、独研(独立総合研究所)の自主調査です。
 正直、費用がかかって苦しいですが、福島第1原発の冷却にも関わっているフランスでの現場調査、そして議論は不可欠です。

 このシュー原発は、加圧水型軽水炉(PWR)の廃炉作業を実行している現場をみてフランス側と議論するために、訪れたのですが正直、驚きました。
 軽水炉の、その格納容器の中に入ってしまい、蒸気発生器が取り外されてごろんと横になっているところとか、超エキスパートの作業員が、化学材や、それから手でごしごし拭くという除染作業をおこなっていところを直接、くまなく、すべての現場を案内してくれたのですから。

 世界の諸国の原発を見てきたぼくにとっても、廃炉作業中の格納容器の中に入ったのは、まったく初めての体験です。
 フランスは、諸国の中でも壁が厚く、なかなか原発の現場を見せてくれないのですが、いざ信頼したとなったら、こちらの専門性も充分に理解してくれて、本物の現場に丸々、入れてくれます。
 ぼくが民間人でも、一切、それは関係なかったです。
 フランスという国への見方も、すこし変わりましたね。


▼ちなみに、その現場をくまなく歩いた疲労は非常に激しかったのです。
 独研の自然科学部長として同行した青山千春博士は、帰りの列車内から吐き気を訴え、パリのホテルに帰ってからは凄まじい高熱を発して、ぶっ倒れています。
 ぼくは、いつものように疲れて眠いだけで、なにも変化はありません。

 考えれば、ぼくは去年2月の大腸癌で、検査のために総合計では、検査技師の話によれば160ミリシーベルトというかなり高い線量を浴び、去年4月15日に福島第1原発の周辺全域をくまなくひとりで歩いたことで、ふたたび浴び、その1週間後の4月22日に福島第1原発の構内に作業員のかたがた以外で初めて入って、また浴び、そして今回ですからね。

 ちと、放射線で誕生した怪獣の気分です。(ゴジラの気分なんて言うのは僭越なので、申しません)

 冗談はさておき、シュー原発でも、フランス側の線量管理は非常にきちんとしていたので、ほんとうはまったく、大丈夫ですよ。
 青山千春博士は、格納容器の中という凄まじい、想像を絶する雰囲気にショックを受けての高熱だろうと思います。
 このひとも、23歳のころに、日本女性で初めて大型船の船長の資格を取ったひとですから、帰国までには甦るでしょう。
 ぼくがずっと、ウォッチして、それなりのケア・看護もしているから、大丈夫です。


▼さてさて、サプライズのお知らせです。
 実は、いきなり、新しい本が出ます。
「ぼくらの祖国」(扶桑社)という新刊を上梓して、まだわずかな時間しか経っていません。
 自分でも、こんなに早く次の本を出せるとは、まるで思っていませんでした。
 タイトルは「救国 超経済外交のススメ」です。

 3月20日の祝日は、東京・新宿の紀伊國屋書店で、その新々刊の「救国 超経済外交のススメ」をめぐるイベントをやるのです。

 詳しいことは、まだ決まっていません。しかし、もう会場は確保され、イベントの実施、その直前の新々刊の発売は、もう決まっています。
…と、ここまで書いたところで、この「救国 超経済外交のススメ」を発刊する出版社のPHPの編集者Sさんから、独研の総務部あてにEメールが来ました。
 なんというジャスト・タイミング。

 それによると、こんな感じです(Eメールの文面の直接引用ではありません)。

▽3月20日(火、祝日・春分の日)、「救国 超経済外交のススメ」発刊記念トークイベント、「紀伊国屋新宿セミナー」(紀伊国屋書店・PHP共催)を実施!

▽青山繁晴の講演を14時より1時間半、やります。
 会場の紀伊国屋ホールは劇場で、300人ほど収容可能です。
 サイン会は、会場の使用時間に限りがあるためできませんが、代わりに、事前に青山繁晴がサインをした本を直売します。


▼ことしは元旦から、『こんな日程を人間がこなせるのだろうか』と真剣に思うほどのハードスケジュールになっています。
 だから、書きたい気持ちはたっぷりあっても、新しい本は当分、無理だと思っていたのです。
 ところが、PHPのひとりの編集者、すなわち上記のSさんの情熱にこころ動いて、原稿に取り組みました。

 そのために、たとえばパリに向かう機中はもちろん、パリに着いてからも睡眠もなく、風呂にも入る時間すらなく、食事は取らないと原稿を書くエネルギーも出ないから取るけれど、レストランでナイフとフォークを持ったまま身体をぐらぐら揺らして居眠りして、それを日本からの観光客のかたに写真に撮られるありさま。
(ちなみに、隣の席で青山千春・独研自然科学部長は、そんなぼく、つまり独研の社長をまるで気にせず、ばくばく食べていました。これは、いつも通りです。ふひ。もちろん、シュー原発に行く前のことですが、帰国までにそのような女船長に戻るよう、ぼくなりに手を尽くします)

 出張のほんらい任務に加えて、この原稿があるわけですから、こうなるのは当然の帰結です。
 ぼくは本来は、怠け者なので(謙遜じゃない)、かなり辛かった。

 しかし編集者Sさんのおかげで、すぐに次の本を出す決心をできたのだから、彼に感謝しています。
 ちなみに、前作の「王道の日本、覇道の中国、火道の米国」(PHP)と前々作の「日中の興亡」(PHP)は実はロングセラーになっていて、「王道の日本…」などはつい最近、Sさんのプッシュもあって8刷に達しています。

 去年の11月から年末にかけて、「ぼくらの祖国」を完成させるために5週間ほど、ベッドにも布団にも入らない生活が続いたのに、それをまた繰り返すようなことだから過酷すぎるナァ…とは思ったけれど、いったん決めたんだから、最後までやり抜いて、パリ時間のおととい、正直な感じとして奇跡のように、全文を脱稿しました。

 3月20日のイベントまでには出版されます。


▼「ぼくらの祖国」は特別な本です。

 売れる、売れないと言うより、これまで祖国を知らなかったひと、小中高校生、大学生、大学院生、そしてお父さん、お母さん、教師のかたをはじめとする大人たちに、ひとりでもたくさん、読んでもらって、福島原子力災害、東日本大震災の被害が発生から1年近くを経てなお、続くなかだからこそ、祖国を甦らせる小さなきっかけにしていただきたい。
 その祈りは、ぼくのなかで、なによりも強いのです。

 だから、この編集者Sさんに最初に話を聞いたときには、「ぼくらの祖国を読んでもらうことに集中したいから、まだ次の本は出さない」と断りました。
 すると彼は、プロの編集者として、こう言いました。
「それは違うのです。ここでもう一冊、出せば、書店に青山さんのコーナーをつくることも可能になります。『ぼくらの祖国』が、話題の割に書店に並ばないという現実を、傍観できないから、提案しているのです。ぼくらの祖国にも、きっときっと、プラスになります。事態を変えます」

 謙虚な人柄の彼は、実際にはもっと柔らかな言葉でしたが、趣旨はこうでした。
 ぼくはプロの言葉を尊重します。
 今回の、意外な、ぼくにとってもサプライズの展開は、そこから動き始めました。

 とはいえ、前述したように、年が明けてからの忙しさは、去年、つまり大腸癌をはじめ4つの大病があり、東日本大震災と福島原子力災害が起き、「ぼくらの祖国」という新刊を2年半ぶりに発刊した年よりも、さらに、はるかに忙しくなっています。
 だから、原稿はなかなか進みません。

 そこでSさんが大胆にやってのけたのが、イベント戦略でした。
 3月20日のイベント開催を、なんと勝手に、ぼくも独研も知らないうちに紀伊國屋書店と交渉して決めてしまって、「センセイ! みなさんがイベントを待っておられますよ、そのときに本がなくて、いいんですか」とぼくに迫ったのでありました。

 ぼくは、ふだんは、こうしておのれの自由意志を制限されるのが大嫌いです。
 ふつうなら、ぼくも独研も、これに大激怒して、話はおしまいです。

 しかし今回に限っては、彼の、もうひとつの小さな行動があったために、ぼくは赦し、そして、『こりゃどうしても3月20日までに本を出せるようにしないと』と、おのれをあらためてスーパー・フル回転させたのでした。

 その行動とは…ごめんなさい、それは立ち読みでもいいから、「救国 超経済外交のススメ」を見てください。

 写真は、その新々刊の装丁です。
 SさんからEメールで送られてきたものを、パソコン画面に出して、それをパリのホテルの一室で撮影しました。
 見にくいでしょうが、本物はいずれ、書店で手に取ってみてください。

 この装丁の原案は、いつものように、本文の書き手のぼく自身と、それから今回は長男の青山大樹くん(東大大学院)の合作です。大樹くんのアイデア部分のほうが強いです。
 それをもとに、プロが装丁化しました。
 Sさんは、最初ずっと、この装丁を拒否していたのですよ。
 うはは。


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42 Comments

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絶対買います!! (ヘボ薬剤師)
2012-02-29 16:43:31
すごいですね3ヶ月も経ってないのに続刊ですか  (いや、この場合続刊というのは日本語としておかしいかも・・・)。
今度の表紙はブルーだし「日中の興亡」「王道の日本」「ぼくらの祖国」、そして「救国 超経済外交のススメ」と並んだら目立つこと間違いなしですよ!ぜひ「青山繁晴コーナー」を作っていただきたいです。(青山さんに要望するのは筋違いですが)。
時間的距離的に講演には参加できませんが、本は5冊買って店頭(薬局)に並べます
「出来ることからコツコツと」やっていきます
すばらしいサ。プライズをありがとうございました
お疲れ様です。 (長谷部 健)
2012-02-29 16:46:09
 さっそく紀伊国屋に問い合わせをしました。
 もちろん今回も行きます。
サイン会が無いのが寂しいですが。
 楽しみです。
Unknown (森田真太郎)
2012-02-29 16:49:40
はやっ!!本当にサプライズですやん!!
まだ行けるかわかりませんが、なんとか行けるようにします。「青」がとても綺麗ですね。
びっくりです (松元 孝子)
2012-02-29 17:05:21
殺人的なスケジュールの中 新々刊とは!!
東京には行けませんが「救国 超経済外交のススメ」は読みます

青山千春博士が早く快復されますように
祝&驚! (かず)
2012-02-29 17:13:09
まさか、こんなサプライズだったとは予想できませんでした!
なにせまだぼくらの祖国が発売されたばかりですからね!本は予想外でした。

赤から一転して青へ。
本屋さんの色鮮やかな青山繁晴コーナーが目に浮かびます。
でも青山さんの志はずーっと連なっている。

青山さんに見えていて、僕らに見えていないもの…
これからも、もっともっと教えてください!

P.S
奥さまの一日も早い全快を祈っています。
そして、青山さんもしっかり眠ってください。もしも過労で倒れでもしたら、せっかくのサプライズが台無しですから!
青山さんがしっかり寝てくれないと、心配で僕も眠れません。青山さんにしっかり眠ってもらう青山さんだけに適用される法律でも作ってもらいたいくらいです。
青山さんがお元気でなければ悲しむ人がたくさんいることは、分かってくださいね!
新々刊&セミナー (桜)
2012-02-29 17:45:15
ご発表ありがとうございます。(日に何回もブログをのぞきに来る始末で…)
編集者Sさんと独研の皆様の信頼関係で実現するのですね。そんな貴重なチャンスを企画頂いたなら是非,300人に入れなくても青山社長の空気を感じに&紀伊國屋さんで購入します。
楽しみです。ありがとうございます。

★千春博士の復活を祈念しております。
青山社長もご自愛頂きたいナです。
びっくり! (まゆ)
2012-02-29 18:09:51
青山さん、こんばんは!

本当に「いきなり」!ですね><
まだ読んでいない青山さんの本もあるのに、
どうしよう? 嬉


ご長男は東大の大学院に通われているんですね、さすが!
息子の名前と一字違いだったのでちょっと嬉しいです♪


青山千春博士、早く良くなりますように。









おどろきました! (タツモト タカミチ)
2012-02-29 18:11:36
なんと!新刊が発行されるのですね!?
サプライズってなんのことなんだろうと気になっていたのですが、まさか、こんなに素敵なことだとは^^

ぼくらの祖国を、拝読させていただいた後
「次の青山さんの本は、いつになるんだろうなあ・・」
と、ぼんやりと考えていたところでした。

非常に楽しみです!必ず拝読させて頂きます!

吉報ですね!! (ネコ好きな怠け者)
2012-02-29 18:23:15
青山さん、いつもお疲れ様です。

サプライズの内容、それまでの書き込みから、
何か極秘裏に進めていた新刊でも出るのかと思っていましたが、
まさしくその通りだったので、非常に嬉しいです!
ただ、私の予想ではフィクション(≒小説)ものかな~と思っていましたが(笑)。
タイトルからしてまたも非常に興味深い内容の様で、
今から発売が楽しみでしょうがありません。
外交・経済に関してメディアをチェックしていても、
有識者と呼ばれる方々や政治家が他人事のように語ったり、
持論を声高に主張するばかり
(つまり実効性・現実性をまるで考えていない)だったりで、
正直辟易していたので、青山さんのまっすぐ真ん中からの提言を読めることは、
非常に吉報だと思ってます。

それにしても、わずか2カ月足らずで1冊書き上げたのですか?
あり得ないほどのハードスケジュールの中で、
1から書いて1冊書き終えてしまうとは・・・やはり青山さんは超人ですね。
怠け者で睡眠がなにより好きな自分も少しは見習いたいです(苦笑)

そして、Sさんは本当にプロですね。
イベント戦略は正直強引だとは思いましたが(笑)
「今出せば青山さんのコーナーができる」という視点は、
流石編集さん、なるほどなぁ~と感心致しました。


ともかく、もう1カ月もしないうちにまた青山さんの新刊を読めるのは、
ただただ嬉しいの一言。
この書を読んで、また自分自身も含めて様々な方々と
色々な議論を重ねたいと思います
青山さんがいつも言う、「僕の言うことは問題提起に過ぎない」という姿勢、
私は断固、支持致します。
嬉しいです! (祖国を愛する学生)
2012-02-29 18:53:23
青山さん、ありがとうございます!
この発表本当に嬉しいです!
この情報だけで数日は元気でいられるくらいです(*^^*)笑
20日は部活の合宿がありイベントに参加できないのですが、本を買って、合宿を乗り切ります!
本当にありがとうございます!
もー嬉しいです!!(*≧∀≦*)笑