Our World Time

ホントは大急ぎ

2012年04月07日 | Weblog



▼このごろ日々、以前に増して、心残りが尽きないのです。
 たとえば、講演会のあとは、「時間の制約で、あれを、これを、聴衆のみなさんと一緒に考える機会をつくれなかった」と胸のうちで苦しみます。

 ぼくがつたない講演を始めたのは、もう14年ほども前です。
 報道機関である共同通信社を辞して、シンクタンクの三菱総合研究所に入って間もないころ、外部から講演依頼があり、当時の秘書役アシスタントのHTさんと「へぇ、講演依頼なんて来るんだ」と、ちょっと驚いて、顔を見合わせたのをよく覚えています。
 どこでぼくのことを聞かれたのか、実際、不思議に思ったのでした。ラジオ・テレビにまだ参加していませでしたから。

 そのときから現在まで、何も変わっていません。
 講演は、自然にやって来る依頼を、日程が合うかどうかを中心に検討するだけです。

【*ついでに申せば、商売の邪魔をするつもりはありませんが、講演仲介業者などに委託したりすることも一切ありません。
 だから、講演に来てくれないかというご希望があれば、独研(独立総合研究所)の総務部へ直接、EメールをくださればOKです。独研の定型フォームがありますから、それに記入され、Eメールに添付くだされば、それがどなたでも検討します。
「講師一覧」などとして、ぼくの写真や名前を挙げている、ぼくらの知らない講演仲介業者が複数いらっしゃいますが、無断掲載です。ぼくや独研とは無関係です】

 14年のあいだに、日本でも世界でも、どうしても話さねばならないことが年々歳々、増えていき、なかでも福島原子力災害が始まってから、どう工夫しても時間が足りません。
 特に、硫黄島の英霊についてほとんどお話しできなくなっているのが、このごろ何よりいつも、心残りです。
 だからこそ、去年の年末に世に問うた「ぼくらの祖国」(扶桑社)のなかで、硫黄島をめぐることどもをすべて、記しました。
 しかし、ほんとうは、講演に足を運んでくださったみなさんと眼を合わせながら話すことで、より深く「ぼくらの祖国」のなかに記された事実についても、共に考えられると思うのです。

 独研が主催する自主講演会の「独立講演会」を始めた理由は、まさしく、これです。
 これは実質、時間無制限です。
 とは言っても、ぼくよりも、聴衆のかたがたに時間的な限界はあります。
 心身ともに健康で元気なひとから、心身いずれかの病、あるいは両方と戦っているひともいますし、中高生から90歳に近いかたまでいらっしゃいます。
 だから5時間から6時間の講演で終了しますが、講演時間というのは、ふつう90分(1時間半)ですから、それに比べると、ほとんど無制限と言っておかしくありません。

 だから講演については、この独立講演会に来てくだされば、話し手、聴き手、おたがいの心残りが、すこしは解消できるのです。
 ところが、最近のもうひとつの大きな心残りは、「サイン」です。


▼この地味ブログを、わざわざ訪ねてくださるひとなら、ご承知のかたもいらっしゃると思いますが、ぼくはひとりの物書きとして、「ぼくらの祖国」(扶桑社)と「救国 超経済外交のススメ」(PHP)という「兄弟本」を世に問うたばかりです。

「ぼくらの祖国」、通称「ぼくそこ」(命名者は青山千春博士)は、ぼくにとって永遠の書ですし、「救国 超経済外交のススメ」は、その「ぼくそこ」が、ささやかなりに提示している祖国の理念と哲学を、具体的にどう実践するかを積み重ねている書ですから、この兄弟本を読んでくださるかたは、ぼくには特別なひとです。まったく特別な存在です。

 だから、講演会場でこの2冊の販売があるときは、講演開始時間が切迫していても、たとえ10冊でも15冊でもサインしますし、講演が終わったあとに飛行機や新幹線に乗るために出発するまでに5分でも10分でもあれば、サインします。
 しかし、当然ながら、時間がまったく足りません。
 たくさんのひとが長い列を作ってくださるのに、その大半を残したまま、講演を始めねばなりません。
 そして、再び大半を残したまま、駅や空港に向かうタクシーに、同行の秘書さん(独研・総務部秘書室第二課のY0秘書)と、あるいは青山千春博士と、必死の形相もの凄く乗り込みます。

 実際、ちょーギリギリで、こないだついに、名古屋駅で新幹線のドアに挟まれました。
 手にしていたモバイル・パソコンごと挟まれたので、パソコンを守ろうとドアの閉まる力を跳ね返そうとしたせいもあって、普通なら手の甲を骨折したのじゃないかと思うほど、恐ろしいほどの力で目いっぱい挟まれました。
 もちろん、駆け込み乗車になってしまったぼくがすべて悪いので、日本の誇りである新幹線に一切、問題はありませぬ。
 ちなみに、YO秘書は半歩先に車内に入っていたので、無事でした。警視庁のSPより足の速いぼくの先を行くとは、大したものじゃ。


▼さて、このサインをめぐる心残りをすこしでも補うために、ふたつの、お知らせがあります。

 ひとつは、「救国 超経済外交のススメ」のファイトマン編集者、Sさんが、京都でのサイン会を企画してくれました。
 ところが、実は開催まで、もう時間がないのです。(だから、このエントリーのタイトルは「ホントは大急ぎ」です)

 凄絶と言うほかないぐらい詰まりに詰まった、現在の日程に押されて、この地味ブログにお知らせをアップできずにいました。
 これまで、版元(PHP)のホームページだけで告知してきたために、開催が危ぶまれるぐらい?まだ申し込みが少ないそうです。

 以下は、その詳細です。

◆日時:4月18日(水)午後7時から
(関西テレビの報道番組)「アンカー」の生放送が終わって駆けつけます)

◆会場:アバンティブックセンター京都店
〒601-8003 京都市南区東九条西山王町31(京都駅の南側、すぐ目の前です)

◆参加方法:アバンティブックセンター京都店にて「救国 超経済外交のススメ」(PHP研究所、税込み1,575円)を買われたかた、もしくは予約されたかたの先着100名のみなさんにレジにて整理券を配布します。

◆電話での予約も大丈夫です。
075-671ー8987(京都アバンティブックセンター)

「サイン会参加希望」とおっしゃってください。書店が、「救国 超経済外交のススメ」を取り置いてくれます。そして、当日はサイン会の開始時間(上記)までに京都アバンティブックセンターのサービスカウンターにいらしてください。整理券とともに、本をお渡しします。
詳細はこちら



*それから、断腸の思いながら、「救国 超経済外交のススメ」に以下の誤植が見つかりました。
 サイン会においでのみなさんには、PHPから正誤表もお渡しします。

p34  4行目(誤)内蔵  → (正)内臓
p39  6行目(誤)胡錦涛 → (正)胡錦濤
p106 6行目(誤)胡錦涛 → (正)胡錦濤
p326 13行目(終わりから4行目)
    (誤)官政権 → (正)菅政権
p335 1行目(誤)2012年3月11日→(正)2011年3月11日

「救国 超経済外交のススメ」は現在、3刷です。この3刷から、すべて修正されています。
 こころからお詫びします。



▼サインをめぐる心残りをすこしでも補うための、もうひとつのお知らせは、大阪の伊丹空港にある書店「スカイブック」でまた、何冊かサインしました。

 この「スカイブック」大阪空港店、つまり空港1階にある書店でサインすることは、たまにあります。
 すこし前のエントリーで、写真付きで書いている通りですね。
 その後にも立ち寄って、「ぼくらの祖国」と「救国 超経済外交のススメ」の両方にすこしサインしてきました。
 まだあると思います。
 ご関心のかたは、よければ電話して聞いてみてください。
 この書店は、飛行機に乗らないひとでも、どなたでも利用できます。

*営業時間:6:30~20:30
 定休日:年中無休
 電話 :06-6856-6647

 それから、新しいお知らせとしては、ANAの搭乗ロビー内にあるブックコーナーの「スカイブック南店」でもサインしてあります。
 ここは、飛行機に乗る人か、飛行機を降りた人が利用できます。伊丹空港のANA搭乗口10番と9番の間にあります。

 先日、飛行機に乗る直前に、「ぼくらの祖国」と「救国 超経済外交のススメ」それぞれ1冊づつだけサインしました。
 きょう4月7日土曜日も、テレビ大阪の「たかじんNOマネー」の収録のあと、飛行機の出発直前に寄ってみると、その2冊が、レジの背後の棚に高く掲げられたままです。
 若い男性の店員さんに「あぁ、売れてないんですね」と言いました。
 いま、「ぼくらの祖国」も「救国 超経済外交のススメ」も、最初の勢いはどこへやら、大きな姿なき壁に阻まれるように苦戦していますから、『ここでもそうなのか。サインした、たった2冊すら売れないのだから、さらにサインしようなんて、なんて僭越なんだろう、俺は』と考えたのです。

 すると青年は「えっ? 売ってもいいんですか」と言うのです。
 なんと彼は、お店のたいせつなディスプレイで飾っておくべきだと考えてくれていたのです。
 その純粋さに、胸のうちで驚きながら、「いや、売ってください。ご希望のかたにはどうぞ、売ってください」と応えました。

 彼は「え、ほんとに、いいんですか」と目を丸くしています。
「そうです。これからも、飛行機に乗るときに立ち寄って、すこしづつサインしますから、よろしくね」と言うと、彼は、ほんとうに嬉しそうな顔になって「はい!」と応えてくれました。

 スカイブックの店員さんたちはみな明るくて、積極的で、しかもさらりとしています。
苦戦のなか、その笑顔が胸に響きます。

 さぁ、できれば京都で会いましょう。
 そして、できればサイン本を通じて、ともに祖国に生きる歓びを考えませんか。


 写真は、小型ジェットの機内から、ぼくの撮影した硫黄島です。
 もっともっと工夫を尽くして、講演会で再び、硫黄島の英霊たちのことを語りたいと思います。