メキシコは最高のサッカーをした。だが、勝てなかった ［アルゼンチン－メキシコ １－１ １６強］

予想はアルゼンチンだが、またもや予想に反してメキシコが先制した。
前半８分。CKから、マルケスのマークを一瞬放した油断だった。
もちろんマークを外して飛び込み、一発で決めてしまったマルケスはすごい。
しかしその２分後、今度はアルゼンチンのCK。メキシコには油断はなく、激しくゴール前でマークをした。
しかしクレスポは、すばやい動きで二人のマークを揺さぶり、体ひとつ前にでてリケルメのボールにあわせた。必死にクリヤーしようとしたデイフェンダーの頭にもあたったボールはゴールネットに突き刺さる。

しかしそれでアルゼンチンのペースにはならなかった。
どちらかといえば、メキシコのリズムだった。
メキシコは３バックだが、マンツーマンなので攻められるとすぐに分厚くなる。それと最終ラインのアップダウンが激しい。大胆に押し上げる。非情に組織的なサッカーだ。ジーコのようなばかたれとは違うこの監督はアルゼンチン人だ。

後半もメキシコのゲーム上だった。
攻守の切り替え、スピード、運動量で、アルゼンチンを上回っていた。
アルゼンチンは後半30分を過ぎたところで驚きのカードを切った。
テベスをいれたのはわかるとして、カンビアッソを下げてアイマールを入れたのだ。
そしてさらにメッシを入れた。
だがメキシコは、メッシにもアイマールにも仕事をさせなかった。

延長戦に入る。
互角の戦いが続く。
均衡を破ったのは、マキシだった。
リケルメがペナルティエリアのちょっと外に放り込んだボールを、ワントラップして即シュート。
ボールはふわりとしたカーブを描いて、ゴール左上に入った。

メキシコは諦めなかった。
しかし時間は過ぎていった。アルゼンチンは守備的になり、ボールキープに入った。
そして終わった。
メキシコは最高のサッカーをした。
しかし勝者はアルゼンチンだった。
開幕から今日までで、最高のゲームだった。

［アルゼンチン－メキシコ　１－１　１６強］