エレベーターで1階のフロアに下りると、
少し先の方にE先生が歩いていらっしゃるのが見えました。
この日のすべての審査を終え、
同じく審査をされていたと思われる先生とご一緒でした。
娘はE先生に講評をいただくため、走って追いかけました。
E先生の第一声は、
「すごく良かったじゃない!」
満面の笑顔だったそうです。
「シューマンが特に良かったわ。 音楽的に弾けていたわよ。
結果を待たないといけないけど、先生は受かったと思うわよ。」
と言っていただけたそうです。
「もう、先生の方がよっぽどドキドキしちゃったわよ。
ハンカチ握りしめて、祈っていたわ!」
後日聞いたことなのですが、
この時のハンカチは、合格祈願を込めて赤色のものだったそうです。
一生徒のことをこんなにも親身に思ってくださる先生に師事できて、
娘は幸せです。
E先生をがっかりさせてしまうような事態にならなくて、本当に良かった。
とはいえ、この時点ではまだ結果は出ていないわけで・・・
6日に行われた試験なのですが、18日まで待つことになります。
転専攻試験の合格不合格については、
審査に当たった先生方で協議し判定されるものと勝手に思っていたのですが、
審査用紙は付属高校の担当教師がその場で回収、
付属高校の方で点数を集計、
合格点に達しているかを数字のみで判断するのだそうです。
だから、E先生も、
「私も、高校から封書が届いて初めて知るのよ。」
とおっしゃっていました。
試験結果が出るまでにかなり時間が空きましたが、
娘自身にやりきった!という満足感があったこともあり、
娘も私もヤキモキしたりすることもなく、
ゆったりした気持ちで待つことができました。
そして、ようやくやって来た18日当日。
通知表の後に、担任の先生から手渡された封書には、
この紙が入っていました。
合格です!
ピアノ科に転科が許されました!
入学して最初のレッスンで、
いきなり「ピアノ科に転科しなさい。」と言われてから約2年。
最初は、なぜ? なんで勝手に決められちゃうの?
と反抗的だった娘ですが、
E先生の熱意に引きずられるようにして頑張っていくうちに、
いつのまにか本気でピアノに向き合うようになっていきました。
試験前最後の3ヶ月は本当に濃い時間でした。
E先生と娘、ピアノと娘、娘と私、それぞれが本当に濃い関係でした。
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