清の時代の家屋が今も残っているこの潮州の城内は、私が撮影した上海の旧城内を飛び越えて更に凄い。なすがままとは、こういう事を言うというのにぴったりの例と共に、ほっとらかしにしているとこういう事になると言う例でもある。この地域は最低気温が10℃を下回る事が無いほど温暖な地域だが湿度は高い地域で、街を歩いているとバナナが植えてあったりですでに南国に近い。
ホテル近くの麺屋から
とある場所の四階から
壁には様々な痕跡が
陽の当たらない北側
泊まった宿の前の路地
時間が止まっている
路地からさらに奥の路地裏へ
なすがままの壁
陽の当たらない北側は壁に苔が
これらの家屋や壁は、人工的には絶対に作れない歴史が作った「ナスガママアート」と勝手に命名。古いものをそれらしく撮影するには、古いレンズに限る。今後、時間をかけて撮りたい街に潮州を選びたい。
CanonFD50mm f1.8+補正レンズ付アダプター+α7Ⅱ
ヒトが犬を連れて歩く 山羊でもよいが
ヒトは自転車を押して歩くだろう
荷車もよいが
だが
モーターの音はいらない
路地はヒトとヒトに添うものの
曲線の回廊
朝霧が立ち 夕靄が流れ 夜の帳が降りるまで
ヒトはヒトに出会い 別れていくだろう
この千年の歳月をそうしたように
また千年の歳月を
太陽の弾いたかけらの
東の国のヒトの路地
光年の名残は幾星霜のめぐりを載せて
青黒く
栄枯盛衰の断層は
今なお 日々の涙を湿とらせながら
万巻の記憶を語らず
ただ
沈黙の深淵にわたしを招くだけ
*海原さんの写真は言葉を生みます。
潮州の城内は、そんな事を想像させてくれる街です。