水木しげる『総員玉砕せよ!』(講談社文庫、戦記コミック)おもしろかった。おすすめです。
2時間で読める面白さ!
戦死した将兵にたいし、自分はどうあるべきか、これからどのような生き方をすべきか考えます。思考させる文学です。たんに「国家のために殉じた将兵たち」というくくり方だけでは収まらない、見過ごされがちの過去ってあると、思いました。
軍の無謀な作戦や命令で、日本人が日本人を殺したような形になったような話。
敗戦で軍は解散しました。そして東京裁判で勝者による裁きがくだりました。それを以って、軍は戦争に負けた責任を日本国民に対してとったといえるのでしょうか。この本を読んで思ったのは、敗戦に責任を感じて自殺した軍高官がいたとしても、彼らの生前の論理では、命は平等ではないはずです。ただ死ぬだけなら、一兵卒と同じでしょう。多数の命を左右する立場の者であり、結果的に大勢の犠牲を出したのなら、立場に応じた責任のとり方をすべきじゃないか、と思いました。
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