ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

2 盲目のソムリエ 11ページ目

2009-06-07 22:59:06 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
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和音は、テーブルにぶつからないようにそっと歩き始めた。粉河は、目が見えて

いるかのように素早くテーブルに近づき、グラスを手に取った。

そして和音がグラスを手に取る前に、テイスティングをして、答えた。


盲目のソムリエ  このワインのヴィンテージは1987年です。

理事長      和さん、もういいですよ!

         粉河さんは、すでにヴィンテージを答えました。

和音       粉河さんは、随分早くテイスティングを終えて、答えました

         ね?

         セカンドワインは、トップトムリエと言えども、そんなに

         飲んでいないでしょう。慌ててテイスティングをすると間違っ

         ている可能性もあるでしょう。


和音はそう言うと、手探りでグラスを探し、グラスを手に持った。


和音       これは、若いブドウの木から造られたセカンドワインである

         が、さすがグランヴァンのセカンド、貴賓が感じられますね?


理事長      和さんの答えは?

和音       これは、ほんとうに難しい!粉河さんが答えた1987年

         に近いヴィンテージの気がするのですが・・・。

理事長      和さん!

和音       お待たせしました。

         私の答えは1989年のヴィンテージです。

          


2 盲目のソムリエ 10ページ目 

2009-06-07 20:41:29 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
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理事長    おー!

       私の予想に反して、2000年ヴィンテージでした。

       和さんも正解です。

       残りの一本は、二人にテイスティングしていただき、早く正解を

       答えた方が勝ちとします。

和音     承知しました。

理事長    和さん、このテイスティング対決で勝負がつくので、できるだけ

       公正にしたいのですが?

和音     そのようにしてください。

理事長    粉河さんは、盲目でワインの色を見ることができない!

       和さんも同条件になるように、目隠ししていただけますか?

和音     いいですよ。


和音は、目隠しされた。 そして、二人はテーブルから1m程離れて立った。

盲目のソムリエの弟子によって、テーブルの上の2つのワイングラスに、アルテー

ルエゴ・ド・パルメが注がれた。


理事長    今テーブルの上のワイングラス2つに、ワインが注がれました。

       私の開始の合図で、グラスを取り、テイスティングを始めて

       ください。

       先ほど話したように先に正解したほうが勝ちです。

       それでは、テイスティングを始めてください。