死期が迫っている自覚症状はまったくないが、約三十年ぶりに再読を始めた。
「平家物語」の時代に、アンチ平家派の過激派として捕らえられ、九州の離島に流されたのちに恩赦で京に帰還した平康頼が記したものとされるが、漢籍や日本の宮廷故事、和歌、仏典への驚くべき博覧強記ぶりと造詣が編み出す物語世界に圧倒されている。
「鬼界の嶋の有さまは、申しても無益と侍るべし」
と、人生のすべてをいったんあきらめて、苦境に落ちた康頼の、人としての力と自信と誇りを回復する内省が形になったもののように感じながら、長く難解な記述を読み進めている。
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