つらいと思う日々に

いたずらにわが身世にふる・・・

まさか

2014-07-11 | Weblog
「まさか」という‘さか’がある。
真坂とも書くのだが真逆とも書かれる。
その聞こえがどのような文字であるか知らないが、
まさかと平仮名で聞こえて、真に坂である。
上り坂か下り坂。

天に生まれた天女が、
人の十倍もの寿命を持ち、楽を享受してあり、しかし、
未だ六道の中にあるために、その寿命終に尽きる時は、
この世の比ではない苦に苛まれるという。

同じ様に、

あなたが現世で、今の身に何のお陰も無いにして
よい地位にあり、よい思いの立場にある人であったとするも、
その立場をいいことに、ただ身の利にのみ振る舞い終えた時、
その暮らしぶりと反して、過酷な立場に変換される。
まさか私が、と努々思わぬために、真逆にまさしく坂を転がる。

六道は糾える縄の様を呈して、あなたは、その時々を味わい、
‘それでも’という正義の仕方を見られる。
‘それでも’という正義の仕方をしていて、
糾える縄の様は、その斯く斯くしかじかをことごとく事無きに済ませるが、
斯く斯くしかじかをただ味わえば、ただそれまでであるために、ことごとく苦を味わうだけである。


さて、楽あれば苦ありであり、
苦あれば楽ありを道理は示すが、
嫌だ嫌だと嫌がる事を、嫌がりながら嫌がりもせず、
こなして苦が苦とならずに苦として消されて楽を迎える。

幾多の人生乗り越えて、老いて今、
ただ単に老いただけであるなら、六道輪廻の中にしても天に生まれることも無く、
餓鬼畜生を彷徨いて、戦きの中に人の心すら非ず、鬼畜にして明け暮れるのみ。

現世その身、華々しくも
献身にして真坂は上り坂、転げ落ちる真逆はない。

あなたに、「まさか」はどっちの「さか」?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする