某銀行員日記

とある銀行員の日常を書いたブログ。政治・経済・文化・芸能、硬軟取り混ぜて日々思ったことを主に書きます。

金利の話

2011年03月02日 20時35分53秒 | 銀行の話
大手3行、住宅金利引き上げ 10年固定4.05%(朝日新聞) - goo ニュース

メガバンク3行が住宅ローン金利をいっせいに上げました。
いくら市場によって金利が決定される長期金利に基づくとはいえ、ここまで横並びなのはどうなのか、とも思いますが、今後金利が上昇していくのは間違いないでしょう。

ここで注意してもらいたいのが、金利の上昇を日本の危機と煽る輩が非常に多いことです。
グローバル化、IT化が高度に進み、経済の結びつきが地球規模にまで拡大しつくしてしまった現在、金利と言うのは一国の情勢だけで決まるものではないのです。
同様に、日本の金利が低いのは多額の国債の利払いを減らすために政府や日銀が主導しているなどというのもありえない与太話です。

単純に考えれば、ドルやユーロ、そして株式市場から流入した投資マネーが国債市場に流れ込んでいるため、と言うのが為替、株式相場の動きを踏まえると言えるのではないでしょうか。
まぁ何が原因だとしても、ここ数ヶ月の長期金利の水準が非常に低く、これ以上下がらない水準であったのは事実です。
残されているのは横ばいで推移するか上昇するかだけ。
何かのきっかけで急上昇しても全くおかしなことではありません。

こうなると何が変わるのか?と言うことが問題になりますが、急に何かが変わると言うことは無いでしょう。
そろそろ家を買おう、住宅ローンを借り替えようと思っている人なら、出来るだけ早めにしておいた方がいいでしょうが、それ以外の人に特に大きな影響はありません。

いくら金利が急上昇したとしても、デフレ下の日本ではたかが知れています。
本来なら政府・日銀が何か対策をしなければいけないのですが、余りにも経済オンチすぎて何も対応を取れていません。
参院選の前からそうでしたから、ただ何も考えていないのでしょう。
もっとも、過去何人かの自民党政権が様々な方策をしてもダメだったデフレ対策が、今の民主党政権にできるとは到底思えないですし、余計なことをしない分、まだマシかなとも思ったりもしています。

最新の画像もっと見る