某銀行員日記

とある銀行員の日常を書いたブログ。政治・経済・文化・芸能、硬軟取り混ぜて日々思ったことを主に書きます。

ちょっと分析が稚拙すぎませんか?

2009年07月07日 23時58分20秒 | 日記
家計悪化で不動産競売が増加、住宅ローンの不良債権化に懸念(トムソンロイター) - goo ニュース

トムソンロイターの記事ですが、これによると、住宅ローンの不良債権化と、不動産競売が増加しているとか。
様々なデータやエコノミスト等の話を引用していますが、実際に住宅ローンと接している側の人間としては、大げさな表現としか思えません。

実際のところ、住宅ローンの延滞が大幅に増えているのか。
これは私の見聞きしている範囲では否です。
どちらかといえば、2007年半ばと比べれば減少しているように思えます。

私の想像ですが、返済に余裕がなく、賃金がカットされることですぐ返済が滞ってしまうような人が2007年半ばから発生し、
不良な債務者が現在では少なくなったことが原因ではないかと思います。
またそれが原因となり、2008年の競売申し立て件数が増加したのであって、それがそのまま今年も当てはまるとは思えません。


そして住宅ローンの間口は従来は利用できなかった層にも広がっているのか。
これも否というしかありません。

銀行の住宅ローンは99%が保証会社を通しています。
いくら銀行の審査でOKとなっても、保証会社がNGといえばダメなのです。

現在、何処の銀行も金利の引き下げ競争を行っています。
住宅金融支援機構のフラット35の条件が緩和されたり、企業の設備投資が伸び悩むなど、住宅ローン市場での競争は益々激しくなるばかりです。

しかし、ここ半年ほど、保証会社のスタンスが急速に厳しくなっているように感じます。
今までだったら難なく承認してもらえたような案件が否認になったり、減額や連帯保証人などの条件がつくようになってきました。
これは保証会社のリスク許容度を引き下げたのか、もしくはリスクの査定を厳しくしているのかのどちらかだと思えます
どちらにしろ簡単に住宅ローンを利用することが難しくなりました。
少なくともいえることは、融資基準が緩和されてはいないということです。

この記事が正しいのか、それとも私の見聞きしてきた現実が正しいのか、それはわかりません。
私の視点はミクロなものですし、この記事もマクロな視点から書いているようで、実際のところはどうなのかはわかりません。
しかし、実際に私の周りでは記事と真逆のことが起こっているといえます。

経済分析とは難しいものですね。