某銀行員日記

とある銀行員の日常を書いたブログ。政治・経済・文化・芸能、硬軟取り混ぜて日々思ったことを主に書きます。

ATM無料化? 無理ですよ、本当に。

2006年08月27日 21時33分32秒 | 銀行の話
東京スター銀「無料ATM」 三菱東京UFJ銀が契約見直しで波紋

ATM無料化を進める東京スター銀行に三菱東京UFJ銀行から待ったがはいったようです。

他の銀行ATMを使用してお金をおろす場合、預金者とその銀行からATMを管理している銀行に手数料が払われます。
というのも、ATMの保守管理料を負担するためです。
ATMの保守管理料っていうのは結構大きくて、土地の賃料や電気代、警備代、お金の管理する人の人件費等々を考えると、かなりの額になるわけです。

それを東京スター銀行は預金者からは取らず、その銀行からのみ取り、顧客を囲いこもうとする戦略をとったわけです。
しかしこれが破綻するのは明らかです。

他の銀行のATMでお金をおろせるかおろせないかは、その銀行同士が提携しているか否かによります。
もしその提携が自分の銀行にとって不利になるようであれば、その提携を解消するだけのことです。
このままでは、東京スター銀行のATMは東京スター銀行の口座だけしかおろせなくなるのではないでしょうか。(新生銀行とかは続けそうですが)


これに関して批判も起きています。
預金金利がこんなに低いのに、とか、両替でも手数料を取るのに、ATMくらい無料にしていいじゃないか、というのがよく見られます。

しかし、ちょっと待って下さい。
ATMの設置・維持には相当のお金がかかります。
その負担を手数料としてもらっているだけで、何も不当に手数料を貪っているわけではありません。

105円が適当か否かという声もありますが、それはジュースがなぜ120円で横並びなのか、ビールや発泡酒の値段が同じなのはなぜなのか、という話と同じです。
値段を上げたらお客さんが減る、下げたら儲からないというギリギリのところで値段が決定しているわけです。

それに、多くの銀行で一定条件(給料振込みを使っているだとか、預金残高が一定以上だとか)で時間外手数料が無料になるサービスを行っています。
その条件をクリアしていない、ということは、銀行にとっては招かれざる客と思われている、ということなのかもしれません。

銀行はお金を預けてもらってそれを貸し出して手数料を儲けて、様々な経費と利子を払うというのが基礎的なビジネスモデルです。
しかし、その入り口である預金が足りないならば、経費くらいは負担するのは仕方がないと思うのですが。