某銀行員日記

とある銀行員の日常を書いたブログ。政治・経済・文化・芸能、硬軟取り混ぜて日々思ったことを主に書きます。

福井日銀総裁叩きに見る日本のマスコミの卑しさ

2006年06月30日 02時33分23秒 | 真面目な独り言
福井俊彦日本銀行総裁が村上ファンドに出資していたことに対する批判を日本のマスコミと野党は強めています。
最近では辞任要求も出ているとか。

はっきり言って見苦しいですね。
彼の収入は大企業の経営者クラスと比較しても同程度ですし、日本の中央銀行総裁としては当然あってしかるべきレベルにあるといえます。
そのような収入をどう使うか、彼の行動を特別縛る法律はなく、他の人と同じなわけです。
それを「モラル」で批判し、辞任まで求めるのは滑稽です。
さらに、こんなに年収をもらっている!!とか、金融政策を自分の都合のいいようにやっている!!なんて子供の戯言かと思うようなバカなことを言っている自称識者も大勢います。

最も言葉を失ったのは、国民は0金利なのに数十%もの配当を受け取っていたなんていう経済のけの字も知らないような自称ジャーナリスト・コメンテーターがいたことです。
預金と投資の違いをわかっているんでしょうか。
それに、0金利では資産のすくない国民はむしろ恩恵を預かっているということがわからないんでしょうか。

もう呆れてものも言えません。


彼らの言っていることは、なんら法令に違反しているということも示さず、ただ嫉妬心を煽っているようにしか見えません。
この人はこんなに年収をもらっているんだ、資産がこんなにあるんだ、おかしい!!
どこがですか。

福井日銀総裁は普通の人ではありません。
優秀な人間が集まる日銀の中でもさらに優秀で、総裁までつとめている人物です。
そして、他の先進国からも「日本の景気回復は福井総裁のおかげだ」とも言われるほど力量のある人です。
そんな彼が資産を持っていてはいけないのでしょうか?
人間は皆清貧でいなければいけないのでしょうか。

日本は社会主義の国ではありません。
資産の個人所有は認められていますし、自分の資産をどう運用するかは自由です。
それを批判するのは日本の自由主義への挑戦ともいえます。
もちろん不正があった場合は批判されてしかるべきですが、残念ながら今のところ、全くそのような根拠を示せている人はいません。
火のないところに煙を立たせている、そんな印象しか受けませんね。