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レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、残日録。

燃えよ剣

2022-07-30 22:53:07 | 邦画
一応時代劇ではあるんですが、この作品も日本映画を積極的に見ていこうと言う企画で試聴した作品にしておきます
っていうのも司馬遼太郎さんの原作であるということで
主人公の新撰組副長土方歳三のいわゆる立志から五稜郭での戦士までの半生記を描いた作品
なんと原田眞人氏が脚本書いて、監督したある意味岡田准一を見せる映画となっていたような感じがした作品
 
激動の幕末を描いた作品であるけれど桂小五郎も坂本龍馬も勝海舟も登場しない作品
なんで出てこないかと言うと土方と全く出会わなかったって言うことだけ
土方は日野のですが郷士として江戸で燻っていたものに
徳川慶喜の要請で会津藩主松平容保を言いくるめて京都所司代に命じられたのに呼応して容保の配下として京都の治安安寧を守る新撰組を立ち上げ
旧水戸藩士だった芹澤鴨を暗殺し新撰組を牛耳る前半と
 
新撰組として池田屋騒動までを中盤にして
元薩摩藩士の後家さんとのロマンスを絡めてのですがプロット
池田屋での殺陣がある意味肉弾戦となっていて
時代劇ではあんま見ない殺陣になっていたところが面白かったかな
ある意味これがクライマックスなんですが
 
映画としては2時間半の尺があるから
ここからは薩長の錦旗に追われっていうか
山田裕貴演じる徳川慶喜の大政奉還のあっけなさによって
これも勝海舟は全く映画に登場してこないのね
で敗走しつつ五稜郭での戦死までの後半となるものの
なんと柴咲コウさんは五稜郭まで訪ねていくんですねぇ
 
って言うことである意味映画としては土方にスポットを当ててプロットが進んでいくため
彼の有名エピソードを満遍なくとりこんでいってるから
映画としての山場がまったく無い作品になっていて
日本史を個人の視点で取り留めなく描いただけの作品だったような気がするのは私だけ?
 
まぁ役者を揃えているのと十分に予算をもらっているから重厚な感じの作品には見えるのだけど
映画としての完成度華全く感じられず
ただダラダラと土方の功績と彼の周りの必要人物殿交流を取り止めなく描いてるだけの作品というだけ
これで2時間半元見せられるのがちょっと辛い作品だったかな
 
2021年製作、日本映画、「燃えよ剣」製作委員会作品
司馬遼太郎原作、原田眞人脚本・監督作品
出演:岡田准一、柴咲コウ、鈴木亮平、山田涼介、尾上右近、山田裕貴、たかお鷹、
坂東巳之助、安井順平、村上虹郎、谷田歩、金田哲、松下洸平、村本大輔、高嶋政宏、柄本明、市村正親、伊藤英明
 

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2 コメント

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Unknown (mirage)
2023-02-13 13:14:16
司馬遼太郎さんの小説は、本当に映画化が難しいと思います。
いわゆる司馬史観に貫かれた、壮大な歴史小説の世界を具現化するのは、ほぼ困難とも言えるでしょう。
そのことは、司馬さんが生前、自身の作品の映像化をほとんど認めなかったという事実が物語っていますよね。

この作品は、特に原田眞人監督という、私が最も嫌いと言うか、映画監督として認めていない監督が映画化しているという事もあって、全くダメでしたね。
原作のダイジェスト版にもなっていませんでしたね。
そこで、この司馬さんの原作の小説を読んだ感想を述べてみたいと思います。

かつて新選組と言えば、鞍馬天狗の敵役。
近藤勇は、芝居や講談で有名な「今宵の虎徹は血に飢えている」という名文句の豪傑然としたイメージの人物だ。

沖田総司は、結核を病む薄幸の美剣士。
そして、最も損な役回りだったのが、策謀をめぐらす冷酷非情な軍師・土方歳三であったと思う。

その土方が、今日、一躍理想の男性像として受け止められるようになったのは、ひとえに司馬遼太郎の「燃えよ剣」のおかげではないかと思う。

この作品で土方は、武州多摩の田舎剣客から身を起こし、風雲急を告げる京洛の巷に、甲州勝沼に、あるいは北の果て函館に、落日の徳川家に殉じ、果敢に散っていった男として、実に魅力的に描かれていると思う。

そして、同時に彼が取らざるを得なかった"非情な行動"は、頑なまでに徳川家への、いや滅びゆくものへの節義を守るため、自らに"鉄の掟"を課した男のロマンとして組み替えられていったのだと思う。

特に、土方が病中の沖田総司のもとを訪れ、愛刀の和泉守兼定を抜き放ち、------目的は単純であるべきである。
思想は単純であるべきである。
新選組は節義にのみ生きるべきである------というくだりは、土方という男を支える核の部分をよく表現していると思う。

この後、土方は「新選組はこの先、どうなるのでしょう」という沖田の言葉に対し、------どうなる、とは漢の思案ではない。婦女子のいうことだ。おとことは、どうする、ということ以外に思案はないぞ------と言い、新選組の最後の一人になるとも戦うことを誓い、「男の一生というものは、美しさを作るためのものだ、自分の。そう信じている」とも言うのだ。

司馬遼太郎がこの作品で最も言いたかった土方の核の部分を、簡潔に見事に集約したセリフになっていると思う。

そして、土方は、和泉守兼定を抜くシーンで「刀は美人よりもうつくしい」と言っているのだが、この作品では後半、彼と恋人である女流画家お雪との狂おしいまでの交情が描かれており、そのくだりでは、一種、上質な恋愛小説を読んでいるような気にさせられる。
そして、物語のラストを締めくくるのも、このお雪のイメージなのです。

「男の典型を一つずつ描いていきたい、自分はそういう理由で小説家になったような気がする」という日本を代表する国民的作家・司馬遼太郎の感慨は、必ずや私を含む多くの読者の感慨となって、この幕末の風雲児を新たなイメージによって屹立させずにはおかないだろうと思う。

歴史学的に言えば、新選組は幕末という時代に存在した、ただの"テロリスト集団"にすぎないという解釈も出来ます。

だが、司馬さんはその副長である土方歳三に、組織のオルガナイザーの役割を与え、武士道の美意識という衣を着せることで、本物の"男の生き様"を描いたのだと思います。

私は初めてこの「燃えよ剣」を読んだ時、武州の在の泥臭い若者が、洗練されたオルガナイザーに変身していく過程を描いたものだと思っていましたが、再読するうちに、司馬さんの描いた土方歳三は、そんなヤワな人間ではなく、これは土方歳三という男の35年の生涯の軌跡を、司馬さん流に再現した作品なのだと思うようになりました。

土方という人間は変わらない。ひたすら己の仕事のために明け暮れる人間なのだと。
そして、土方には、イデオロギーも不要だった。
司馬さんは、尊王攘夷はもとより、佐幕にもそれほどの関心を示さなかった土方という男を描くことで、最も近代的な"テクノクラート"を創造したのではないかと思っています。

それまでの新選組と言えば、局長の近藤勇だけが目立ち、土方は単なる冷酷無比な非情な軍師の役でしかなかったものを、司馬さんのこの作品によって、土方の評価が一変し、新選組と言えば土方歳三となり、与えられた運命の中で、打算的な利害や損得を超越し、人はどう生きれば美しいか、それのみを求めた"漢たちの集団"に変貌させたのだと思います。

それゆえに、土方は田舎剣客から身を起こした、にわか武士でありながら、いや、にわか武士であったればこそ、新選組の旗頭に武士道の神髄である「誠」の印を掲げ、本物の武士以上に、武士道の"美意識"に殉じたサムライとして描かれているのだと思います。

そして、司馬さんの筆は、この土方歳三という男を最後の最後まで、己の描いた美学の中で死を賭けて戦い、それを貫いた男として描いているのだと思います。

土方は近藤と別れた後、会津若松で戦い、仙台で幕府の艦隊を率いる榎本武揚らと合流し、戊辰の役の最後の戦いとなった函館五稜郭の場面へと移ります。
この最後の函館五稜郭の場面は、この作品の白眉とも言える名場面で、土方は死の間際まで、己の筋を通して、新選組副長として死んでいくのです-----。

「名は何と申される」長州部隊の士官は、あるいは薩摩の新任将校でもあるのかと思ったのである。
「名か」歳三はちょっと考えた。しかし、函館政府の陸軍奉行、とはどういうわけか名乗りたくはなかった。
「新選組副長土方歳三」といったとき、官軍は白昼に竜が蛇行するのを見たほどに仰天した。

武士に憧れ、事実、ある意味、日本最後の武士として、武士らしくその生涯を全うした土方歳三に、司馬さんは惜しみない哀悼の意を込めて、「新選組副長土方歳三」と名乗らせたのだと思います。
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mirageさん、こんばんは (morkohsonimap)
2023-02-13 18:06:38
コメントありがとう御座います。

司馬遼太郎さんの小説は徹底した資料等史料の収集から始まって
歴史とその時代考証の中で主人公がどのように生き思考したのかって徹底して追及されて書いてらっしゃるので
かれの作品を映像化するには2、3時間の映画尺で描くのは到底無理で
大河ドラマ向きであるのに

それを上っ面だけで土方のは一生を映画で描くのは無理ですよね
1エピソードに絞って描いてドラマチックにするのが脚色と思うんですがねぇ
それを生涯をなぞっていけばこのように薄っぺらい作品になるのは必定ですよね

「日本統一」月日テレですドラマ化されるようですね
楽しみ何増えました。
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