今月リリースの“新東宝キネマノスタルジア”は石井輝男のモダニズム任侠ドラマ
そうヤクザの親分の娘をヒロインにして
いわゆる弱気を助け強気を挫く任侠ドラマの主人公に女性を据えて観客動員を狙った、いかにも新東宝らしい発想の“女王蜂”シリーズ三本だったんだ
ってことで一応購入しておきましたが、個人的にここでも久保菜穂子さんの「女王蜂」はしっかりと見ておりますのでってことだったんですがもう忘れていたりして見直しておきました。
個人的には“女王蜂”ったら久保菜穂子さんのシリーズって言う思い込みがありましたが、今回改めて久保さんは第一作のみで、なんと残り二作品は三原葉子さんがヒロインだったのね
なんだったんだろうこの”女王蜂イコール久保菜穂子“って言う感覚は
三原葉子さんのイメージがなかったんだよね
って言うことで一作目で久保さんは敵役の天知茂さんと最後撃ち合って相討ちで命落とされていたって言うこともあって、二作目からは新東宝当代のヴァンプ女優三原葉子さんが継承されたようだし
同じく監督も個人的には“女王蜂イコール石井輝男“って言うイメージしか持っていませんでしたが改めて石井輝男も二作目からだったんですね。
人の記憶って曖昧なものだっていうのが・・・
今作では終戦直後の縄張りを戦勝国の第三国人とそいつらを動かしてる新興ヤクザ組織と旧態依然の嵐寛寿郎演じる金看板やくざとの縄張り争いに
特攻帰りの吉田輝雄が加わってそこの娘と丁々発止の恋のやりとりと結構騒々しい映画に・・・
っていうか前作久保菜穂子さんの「女王蜂」がヒットしたってこともあったのか
っていうか前作久保菜穂子さんの「女王蜂」がヒットしたってこともあったのか
なんと前作はモノクロスタンダードだったものが
カラーシネマスコープ作品に格上げになっているんですね
更に製作に大蔵貢の名前まで堂々とクレジットされていましたねぇ
グラマラスな肢体を惜しげもなく披露する組長の娘の三原葉子
弱気を助け強気をくじくという任侠スタイルが似合う組長の嵐寛寿郎さんはこの時代からこんな役回りでこの後は東映作品を盛り立ててくれていました
そしてヒロインのお相手役は新東宝が潰れてもその密な関係がずっと映画に反映されていた吉田輝雄が特攻帰りのハンサムヒーローではあるんですが
この作品の主役はあくまで三原葉子さん
そして前作では敵役だった天知茂さんですが、今作ではさほど活躍の場が与えられていませんでしたねぇ
でも今作ではいい方に与する役所でした。
あとは万里昌代さんが出演されていましたねぇ
処女を悪徳親分に奪われそうになるところに颯爽と現れる吉田輝雄さん
どうしてこの危機を察知したんだ
なんて野暮なツッコミを入れちゃいけないのがこう言った映画を見る時のお約束
お約束
さてラストの悪党たちとの戦いは嵐寛寿郎率いる組員だけではなく
吉田輝雄たちのアウトローグループに、三原葉子さんの率いる売春婦グループまでが参加して
イヤ実に賑々しい大乱闘の、ある意味お祭り騒ぎ状態でしたねぇ
ここいらしっかりとモブシーンを演出できるのが石井輝男監督の真骨頂と言っても過言ではないだろう
1960年製作、日本映画、新東宝作品
石井輝男協同脚本・監督作品
出演:三原葉子、吉田輝雄、嵐寛寿郎、天知茂、近衛敏明、沖竜次、国創典、万里昌代、浅見比呂志、小浜幸夫、杉山弘太郎、大友純、宗方祐二、村山京司、扇町京子、佐々木孝子、加藤欣子、倉橋宏明、高松政雄、大谷友彦、原聖二、岡竜弘
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