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レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、残日録。

博奕打ち 総長賭博

2018-06-29 18:00:15 | 邦画
偶然の成せる技なのでしょうか
東映チャンネルの今月の任侠映画はこの「博奕打ち 総長賭博」なんですねぇ
で、28日のプライムタイムでOAされたこの作品
もう何度も見てるんですが、見るたびにそのときどきの感動が・・・
実はサッカーW杯も気になるのも事実ですが

このプログラムの後の深夜枠でOAされるOP・PICTURESの「義妹の乱れた喪服」までの時間潰しでもあったのですが
実は前日27日になんと名和宏さんの訃報を知り
何とも言えないタイミングと言うことでのリアルタイム鑑賞・・・

東映任侠映画の粋を結集したような名作中の名作です。
三島由紀夫がこの映画を絶賛したのは夙に有名
東映の任侠映画は星の数ほど作られたが、
この作品が任侠映画の最高峰と評価される最大の要因は、
脚本の笠原和夫と山下耕作の一分の隙も無い程に作りに作られた作品
もちろん鶴田・若山に加えて悪役金子信雄の演技に支えられてるももなんでしょうが
実は東映任侠映画では悪役の多い名和宏さんの名演も忘れてならない

運命の糸に操られた主人公たちの、もがけばもがくほどに抜き差しならない
泥沼にはまって行く姿が実にたまらない
誠最初のボタンの掛け違いから、悪党の陥穽のためにずるずると深みにはまり、最後は取り返しのつかないところまで突っ走っていちゃう男たちは
それでもいいんだろうけども
そのために翻弄され自分の命や、愛する男の命を失う女たちをも任侠の世界に描くと言う見事さ

そんな中で若山の一撃を受け瀕死の重傷を負いながらも
金子信雄の”犬でない事を明かす為にも俺の意地を立てさせてくれ!”と
兄貴分の鶴田浩二に懇願し、無事二代目襲名の大役を果たし切る
痛みと瀕死の苦悶に表情だけで耐え忍ぶ姿はこの人しかできない所謂見得芝居ですよねぇ
鶴田御大は奥歯を噛み締める演技が見得になってるんですが
この映画ではそれがないのですねぇ

ただちょっとびっくりしたのは93分ほどの尺だったんですね
映画としての格調高い山下演出でしょうか2時間くらいの尺だと思っていました
実に中身の濃い作品だったんですねぇ
何度も見ても画面に釘付けになる

名和宏さんの御冥福をお祈りいたします

1968年製作、日本映画、東映作品
笠原和夫脚本、山下耕作監督作品
出演:鶴田浩二、藤純子、桜町弘子、名和宏、曽根晴美、佐々木孝丸、三上真一郎、沼田曜一、香川良介、服部三千代、小田部通麿、原健策、小島慶四郎、若山富三郎、金子信雄、曽我廼家明蝶

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