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レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、残日録。

トンネル 闇に鎖(とざ)された男

2017-09-18 03:20:34 | 韓国映画
韓国映画は所謂ミニシアター系で一応公開されるんですねぇ
ただしシネコンでの大規模公開のコンベアーには乗らない

この間も日本でも高速でのトンネル崩落事故が起きたことも新しいですが
私自身は閉鎖空間が不安症という一種の鬱病ですので
長時間の電車移動、飛行機とか極端に言えば高速の移動もダメと言うことで旅行にいけないし
映画館での映画鑑賞もあきません
さらにいうと床屋のイスに座って首に紙巻かれエプロンかけられたらもうダメ
歯医者も同じ・・・地下鉄には乗れません地下にいるだけで気持ちが・・・

ですから崩落したトンネルに閉じ込められる映画はダメかどうかの境目なんですが
一応自分に降りかかかってることではなくて
かつ精神に負担がかからない自宅での鑑賞でしたので
2時間と言う尺4ちょっと長かったけど面白く見られました


瓦礫の中に1ヶ月近く閉じ込められてしまった男と、世間の世論に負けた妻
そして彼を救う為に最後はたった一人でも救助の手を止めない救助隊隊長の姿を描いてるのですが・・・
トンネル崩落自体が金儲けによる手抜き工事
救助隊の活動のミスによって救助に日数がかかったり
権威主義なのか長官や取り巻きの無能さと自己中の保身さ
マスコミの容赦ない傍観と糾弾はよしとしつつも事故報道に対する熱し易さと冷め易さ
マスコミっても所謂経済活動あってのマスメディアですもんね
救助のために二次被害がもたらす事故対象者の家族に対する非道な世論
日数が経過しすぎ経済的な停滞から来る経済至上主義から来る
被害者を見捨てる風潮と
常に韓国映画がお馬鹿警察描写と相俟っての如何にも韓国らしい描写から

見えてくるのは、単なる手抜き工事だけの事故ではないと
言いたかった映画となっており
韓国国民と言うか国家への皮肉もたっぷりな映画を作れる
さらにそれを見て楽しんでる韓国人ってのも、こっちから見ると不思議な人種と見るのか
表現の自由が認められていてうらやましいと見たらいいのか
さっぱりわかりませんが

最終的にようやっと救出された主人公が、記者の質問に対して最後まで救助活動を
一人続けてくれた隊長が放った「クソ」の一言がこの映画の最大のテーマだったんでは・・・
そういう意味でこの映画につけられた副題が実に上手いよね
韓国の抱えてる様々な問題をトンネルの”闇”にかけて、さらに普通なら”閉ざされ”なのところを、”鎖され”たにしてるなんて、何と素晴らしい配給会社の宣伝部員
よくこの映画の本質を捉えていますよねぇ

犬は一緒に救助されていましたが、死んでしまった飼い主のお姉ちゃんは死んだら
もう放置プレイなんですね
生き抜くためのカニバリズムかと思っていましたが・・・
そこまで残酷にはなれなかったのかな、韓国映画ならできるんじゃないのかなと
思ったのは私だけ?
だってこれってfictionでしょ

2016年製作、韓国映画(日本公開作品)
キム・ソンフン脚本・監督作品
出演:ハ・ジョンウ、ペ・ドゥナ、オ・ダルス、シン・ジョングン、ナム・ジヒョン、チョ・ヒョンチョル、キム・ヘスク

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2 コメント

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Unknown (morkohsonimap)
2017-09-18 20:10:26
ヒロ之さん、今晩は
TB&コメントありがとうございました

韓国の抱えてる社会の闇がひとつのトンネル崩落事故で見えてくる映画だったんですねぇ

韓国映画ならカニバリズムもありじゃね
っておもったのは私の偏見ですかね
韓国映画ならそこまで行けると思うのですが・・・
Unknown (ヒロ之)
2017-09-18 19:57:22
こんばんは!
コメント&TBありがとうございました。
思い切り自国を皮肉りながら展開を描いてましたね。
そういうのも平気で出来るのが韓国映画の良さであり、日本人からしたら面白さにも繋がりますよね。
私も被害者女性の遺体を食して生き延びていくシーンがあるのかと思いましたが、殆ど食べ物が無い状況でよく生還できたなあと少し不思議に感じました。

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