いや面白かったな、こんな愉しい映画は久しぶりかも知れない
そんな気にさせてくれたのはなんとフィンランド映画
一人の老人と言ってもフィンランド戦争そうロシアがフィンランドに攻め込んだ来た時にたった一人でロシアを撃退したっていう伝説の男
この映画の時代設定である第二次世界大戦末期では老人ということで今や兵士でもなく
戦争っていうかナチスのフィンランド蹂躙にも背を向けて、たった一人でフィンランドの荒凉たる原野にて1人ツルハシ一本持って金探しに奔走してたら
なんと金脈を当ててしまい、その金を現金に換金するためにヘルシンキに馬を走らせていたら
ここいらのシーンはなんかもうふた昔か三昔前のマカロニウエスタンを彷彿とさせる映像の連続で
劇伴もどこかマカロニっぽく聴こえるから不思議
っていうかそんな時にナチスのフィンランド撤退の戦車部隊とすれ違う
最初は互いに無関係であったものが老人の馬が地雷を踏んだ関係で吹っ飛び老人が金塊を持ってることを知った戦車部隊の将校が知り
なんと負け戦であることを承知してるナチスは行きがけじゃない帰りがけの駄賃として老人の金塊を奪取しようと全力を挙げて老人を攻めるわけですが
何故か一斉射撃を受けても死なない老人
確かに被弾はしてるんですよ一応死体のドイツ兵を盾に使ったり金属板を使ったりしてるけど被弾してるわけで
その被弾した弾を自分で抜いてガソリンで体焼いて血止め
ってランボーでさえ1発でしたよね被弾は、この老人はなんと数発ですからねぇ
それでもナチスは金塊欲しさにせめてくるわけでその攻防戦をメインになんと7章に分けて91分の尺に収めた実に濃ゆい作品でして
まさに後半は飛んでるヒコーキでアクションしたり川の中でナイフで戦ったりと陸に水に空にとMIのイーサンも顔負けな老人の孤独な戦いを
時には脳天をナイフで貫いたり地雷で足が吹っ飛んできたりとグロっぽく
そして水中の戦いは水中から血のりがどかって浮いてくるっていう静の映像だけで見せたりと
いろんな映画の美味しいとこどりしてみたりっていうような作りでこっちを目先を変えて楽しませてくれるサービス精神旺盛な映画ですけど
まぁエクスプロイテーション的にあのお姉ちゃんたちがいたようですが
いなくても成立していた作品でしたし
この老人一言も言葉を発しないんですよ全編通して
ただし最後の最後に換金場所でちゃんと喋れることを証明してくれていましたねぇ粋な台詞で・・・
いや本当にひさしぶりに血沸き肉おどる映画を見たって感じでした。
2022年製作、フィンランド映画
ヤルマリ・ヘランダー脚本・監督作品
出演:ヨルマ・トンミラ、アクセル・ヘニー、ジャック・ドゥーラン、ミモサ・ヴィッラモ、オンニ・トンミラ