連続しての新東宝映画です。
本日“新東宝キネマノスタルジア”シリーズの一本としてDVD再リリースされた作品
1960年2月公開の吉田輝雄デビュー作だそうで、この作品から新東宝が倒産した後も東映で石井輝男×吉田輝雄コンビが続いていくんですね
ってことで吉田輝雄出ずっぱりなんですが、映画初出演ってことで演技って呼べる程のものではないが実に硬質な人物像で、それが逆にこの作品を上質なものにしており
天知茂さんとの善と悪との対比の妙にもなっているような作品
なんと舞台は対馬
ほとんどっていうのはキャバレーとかいわゆる建物内映像のセット以外は現地ロケしてるんでしょうが
この国境の島対馬はなんと冒頭で“対馬!そこは密輸と密航の基地、悪徳と汚濁にまみれていた!”ってスーパーが出る
ある意味60年の作品ですので基本は日活の無国籍アクションの系譜を真似た石井監督ですが
日活の基本“流れ者に女はいらねぇ”って言うヒロインを振っていくヒーローとは真逆に
新東宝のヒーロー像は自分を捨てたって言っても親分に貞操を奪われての他動的なものではあるものの
”お前に未練はないが真相っていうか本心が知りたい“.って口にするものの内心は未練タラタラのヒーロー像なんですね
あとはタイトルと内容の介離が甚だしいものの
こっちがタイトルから期待するエロはないもののある意味男と女の純愛映画を拳銃アクションでコーティングしているような作品
新東宝映画恐るべし
ワルのラスボスに天地茂さん、じつに楽しそうな役作りは外観からって言うお遊びでしたが
強そうなのにあっさり自滅して死んじゃう
ヒーローの拳銃の名手である吉田輝雄は”俺は人を殺したことがない“って言う通りラスボスも自滅して崖から落ちて死んじゃうし
ヒロインの三原葉子さんもライフル撃ったりの活躍するものの吉田輝雄への愛を貫いて死んでいくのね
ちょっとどころではなくツッコミどころ満載の76分でした
1960年製作、日本映画、新東宝作品
石井輝男共同脚本・監督作品
出演:吉田輝雄、三原葉子、万里昌代、星輝美、城実穂、若水清子、吉田昌代、瀬戸麗子、近衛敏明、沖啓二、松原録郎、鳴門洋二、守山竜次、大友純、九重竜司、大谷友彦、沖竜次、天知茂