MOMENT

レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、残日録。

俺はトップ屋だ 顔のない美女

2022-10-19 23:33:25 | 邦画
1961年製作の二谷英明主演の上映時間52分という完全シスタームービー。
上映時間が短いだけにテンポも良くサクサクって映画は進行していき余計な説明も全く入らない
プロットの進行とともにこっちも謎が謎を呼ぶものの主人公がその場で解決せずに進行していき
最後に帳尻があっているという全く不思議な映画
っていうかもう少し垢抜けているとジェットコースタームービーといってもいいかもしれないが所詮は泥臭い日本映画で
全くタイトルからして垢抜けないというか意味不明
 
だって顔がない女の死体でなぜ美人って断定できるのって見る前から疑問を抱いていましたし、いわゆるトップ屋っていうのも今は死語
そもそも週刊誌のネタ記事を書く人物だから殺人事件を追っていくんだって思ったら通俗ハードボイルドものと言った感じの作品になっていた。
 
オープニング男が散弾銃で顔が破壊され仏像の入ったカバンが二本柳寛によって奪われる
顔の潰されてた死体と言う発端から、さらに中盤にもう一回、今度は鍵を握る女としての香月美奈子が顔を潰された死体で・・・
これがタイトルに転用されてたいたんですが実は殺されたのは二本柳寛の情婦である
小園蓉子であり
このような入れ替わりトリックは容易に推測できる内容
 
まぁトップ屋が警察と馴れ合いだったり
トップ屋が事務所構えていたりそこに女事務員の禰津良子がいたりとシスタームービーにしては構成がしっかりと作ってあるし
最後はヘリまで飛ばしてきちんとお金もかけている作品
ジェリー藤尾さんはいかにもって言う風情であるけども最初っからなんとなく正体がバレバレだし、この映画ではいっちゃん美味しい役だったと言える
 
しかし、空気ピストルって言うのはねぇ・・・
謎のコインが密輸の割符と見せといて会員制クラブの会員証だったって言うアイデアにはこっちも思いつかなかったし、ロッカーの鍵でもあったんですね
ここでのすれ違いにちょっとスリルがあったかな
 
1961年製作、日本映画、日活作品
井田探監督作品
出演:二谷英明、香月美奈子、禰津良子、二本柳寛、小園蓉子、森塚敏、佐野浅夫、深江章喜、宮坂将嘉、藤岡重慶、ジェリー藤尾
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林檎とポラロイド

2022-10-19 17:20:01 | 洋画
「林檎とポラロイド」って邦題も原題っていうか英題は「Apple」ですね
主人公が映画の中でムシャムシャといつも食ってるのが林檎
なんとケイト・ブランシェットがノンクレジットではあるんですが
監督さんを見出し、彼の作家性に惚れ込んでエグゼクティブプロデューサーを務めて作った作品
ってことでクリストス・ニク監督初監督作品のポーランド映画
実に不思議な映画である
 
妻を亡くし喪失感いっぱいのリンゴが好きな男。なんと記憶喪失に関して国の法案が通って手厚く治療が受けたられるよ
って言うラジオ聞いてた男はそのままアパートをでる
玄関先で住人の犬とちょっとジャレ合うものの
飄々と歩いていく
 
バスが終点に着くと件の男が座席で寝ていたので運転手が起こすとどこに行き何をするのか彼の記憶は消えていた
病院に運ばれると記憶喪失だと診断される
一方で記憶喪失のもう1人の患者と同じことを口走るものの
何故か林檎だけは常に食している
病院側は治療のための回復プログラム“新しい自分”に男を参加させることになる
 
新しい家と生活費が与えられ毎日課題が出されてそれをポラロイドに撮って実行したって言う新しい記憶をつくって
新しい自分のための記憶や思い出毎日作ろうする治療プログラムをこなすだけ
好きな林檎を近くの商店で
購入中に住所を店主に聞かれて番地だけは前のアパートの数字を言ってしまうがすぐに打ち消して・・・
毎日出かけて出題された1日の課題をこなしてもってことでその証拠にポラロイドをとってアルバムに毎日貼っていくだけの生活
 
そんな中で映画館でホラー映画を見るっていう課題のなかでお姉ちゃんと仲良くなり・・・
彼の課題をこなすデートとか彼女の希望のデートを重ねていく
そんな日常を点綴していくだけの90分の作品であるんですが
実は彼女の希望するデート内容が“新しい自分”の課題であることを知り・・・彼女もまた同じ境遇にいることを知り

リンゴを買ってる時に店主から“林檎は記憶を低下させる”って云われてオレンジにかえたり
前に住んでたとこのワンチャンとであってバレそうだって逃げたり
と随所に彼が記憶喪失でもなんでもないことを暗示する映像を挟み
彼女が“新しい自分”プログラム治療を受けてる事を知り
なんと元のアパートにかえり、
亡き妻の墓に再び参り元の自分に勝手に戻っていくという映画
彼がなぜこう言う行動に出たかは最後まで説明も何もされないまま映画は終わる
 
こう言ったプログラムがあるんならこれは言葉の綾ですが退屈しのぎに私も受けてみるのもおもろいかなぁ
って・・・
 
淡々と映像を紡いでいくだけですのでスリルもサスペンスもありませんが
私には実に面白い作品だった。
全てこっちに投げっぱなしの作品
 
2020年製作、ポーランド・スロベニア・ギリシャ合作映画
ケイト・ブランシェット製作、クリストル・ニコ製作・共同脚本・監督作品
出演:アリス・セルヴェタリス、ソフィア・ゲオルゴヴァシリ、アナ・カレジドゥ、バビス・マクリディス
 
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