MOMENT

レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、残日録。

炎と掟

2022-07-12 23:18:53 | 邦画
これも衛星劇場の“幻の蔵出し映画館リクエストSP~蔵出し任侠映画~”でOAされた一本
松竹映画なんですが
この時代東映、日活、大映と任侠路線に方向が向いていて
明るく楽しい東宝映画と松竹が会社カラーを守ってと言うか、社風カラーからはみ出せない中
松竹さんが苦肉の策として、自社100%出資で製作会社を立ち上げて松竹提携作品として
なんと安藤組を解散して、何もしてなかった安藤昇を担ぎ出して「血と掟」と言う任侠ドラマを
本物の元ヤクザを主演にして作ったらこれが当たってしまい「逃亡と掟」「望郷と掟」とたて続けに制作し一応“掟”シリーズとして作ったのがこの作品
安藤昇主演第4弾と言うところで
この後に「男の顔は履歴書」が作られて俳優安藤昇は任侠映画には欠かせない存在になっていくんですが
この後安藤昇作品は松竹では制作公開されず、本家東映さんの専属みたいな感じで
東映作品に出まくるようになるんですね
 
そんなこんなで松竹さんが作っている作品ですから
この作品任侠ドラマになんと松竹さんのお家芸であるメロドラマを絡めた作品になってて
安藤が貧民街の子供で、没落貴族のお嬢様に高千穂ひづると言った
お子様時代から走馬灯が絡んだ幼なじみの恋模様それも
現代になってもお嬢様は高嶺の花的な存在で安藤昇に絡んでくると言う
ちょっと異色の任侠ドラマでしたねぇ
 
安藤人気な作品なのに何故かDVD未パッケージ作品なんですね
個人的にはこの主人公も没落貴族のお嬢様にしても、時代的に戦争が絡まってるのが必然だと思うんですが
この作品に関しては全く戦争の”せ“の字物語出てこないのには・・・
ここいらにもどこか夢物語みたいな感覚で作ったメロドラマをメインに据えたのが裏目に出てしまったのかもしれない
 
安藤昇は河野秋武の組の幹部、その幹部の一人に新東宝から松竹に移籍した菅原文太兄い
文太さんいい役は貰ってるんですがまだ芽が出ないで燻っている時代
この後東映で芽が出るとはねぇ
この作品では河野秋武を裏切って敵の菅原謙二とツーカーの役
そして今この敵対する二組の上部団体の親分に安部徹と役者は揃ってるし
松竹看板女優の高千穂ひづるに看板継承するかもって言う言う中村晃子
 
こんだけ役者が揃ってる割にビシってならないのは変なメロドラマ
それも煮えきらない男女の感性を入れ込んだからでしょうか
さすがの井上梅次にも料理しきれなかった感が否めない
 
クライマックスの三つ巴の銃撃戦っていうのもなんだか煮えきらないクライマックスでして
ただ四十九日の法要での寺で始まる銃撃戦ですからまさかの墓石を盾にしての銃撃戦はなんともでしたが
その前に子分たちは九寸五分握り締めての緊張していたもののいきなり銃でしたからねぇ
 
へんにメロドラマ入れ込むから実に長く感じた作品だったかなぁ
 
1966年製作、日本映画、松竹作品
井上梅次監督作品
出演:安藤昇、高千穂ひづる、中村晃子、柳沢真一、月丘千秋、河野秋武、菅原謙二、安部徹、菅原文太、明智十三郎、川辺健三、高宮敬二、諸角啓二郎
 
※なお、衛星劇場の7月のプログラム企画“幻の蔵出し映画館リクエストSP~蔵出し任侠映画~”のもう一本は小林旭の「暴力団・乗り込み 」でした。
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シン・クロコダイル

2022-07-12 16:56:54 | アジア映画
これも中国産のアニマルパニック映画
アニマルって言っても標題通りワニですが
それもなんだかよく私は知らないんですがアフリカ産の凶暴クロコダイル
その種類はギュスターヴと言うらしい
中国産の映画ですがどこかの国のお話かも知れません
 
海がリゾートの観光地、さらに貧民街のチャイナタウンを再開発しようとする街のボスチャー
彼によってワニを運んでいたチアポンが、再開発反対派のチアンポンの娘のシャオフーら住人たちに車を止められた時に津波にのまれてしまい
ワニも車から逃れ
彼ら反対派の連中が一人また一人とワニに襲われ
ある意味チャーによってかなり好都合な展開を見せていくのに反して
チャオポンたちはワニから逃げ回ると言うお話に終始する
 
さらにチャーは彼らの救出を拒むんですね
実に拝金主義の嫌なやつ
大抵こう言うやつは最後にはワニに食われて死ぬのが映画の定石なんですが
なんと彼が正義みたいな方向にワニくんは動いてくれて
チャーはワルくないんだ、みんなチャオポンがワルいんだとみんなの前で
言わせようと保身を図るが、その時の因果を含める音声が何故か突然流されてチャーは捕まっちゃう
一体誰が録音していたんだって言うくらいのご都合主義
 
さらにワニは未だ退治されていませんから
これから徒手空拳でチャオポンはワニと対峙するものの左腕食われてしまう
そんな時に狭い空間で身動き取れなくなったギュスターヴに
なんと頭に鉄棒を刺したのはシャオファーだった
 
どうもここまでこんだけ暴れたワニの最後にしては呆気ないものでしたが・・・
いや津波の映像と言いワニの映像と言い中国のVFXの素晴らしさだけが目立つ映画
っていうかチャーって言う人間のワルを出してきたのもいいんだけど
ワニの怖さよりも拝金主義のお金儲け主義者がワニよりも恐ろしかったって言う言う映画
 
今月も中国映画のDVDリリース量が実に半端ない・・・
 
2021年製作、中国映画(日本未公開作品)
ヂョウ・ジゥチン監督作品
出演:ロン・フェイ、ワン・インルー、リュウ・シーミン、ダニエラ・ワン
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