MOMENT

レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、残日録。

拳銃横丁

2022-03-20 23:07:40 | 邦画
昭和35年、映画が国民の娯楽の王様であった時代、日活は石原裕次郎、小林旭の二人に赤木圭一郎、和田浩治を加えた四大スターをダイヤモンドラインと命名して
彼らの主演作を毎月ローテーションで、製作する方針を決定した途端
翌61年1月の裕次郎のスキー事故、2月の赤木のゴーカート事故死によって、
このダイヤモンドラインが崩れる
映画製作をつづけるために一期生の宍戸錠をこのローテーションに加えて「ろくでなし稼業」で本格主演デビューさせ。その時コンビを組んだ二谷英明をも主役に格上げされて、第2次ダイヤモンドラインが生まれた

そんな時に製作された二谷英明主演の一本ですね
ってことで衛星劇場の“蔵出し映画館”でOAされた一本ですから
個人的にはモノクロ作品だって思っていたら
なんとカラー作品でした


シスタームービーではなかったんですね、二谷さんに対する製作ローテーションへの期待が窺える
小高雄二さんがコンビとして出演されてて
宍戸錠のエースの錠的な存在でしたねぇ
日活の映画基本プロットはさほど変わってないんでしょうね

これって原作があったんですね、それを東映の「警視庁物語」などの亜流作品として日活で製作されてた同音異曲的な作品「特別機動捜査班」の製作に関わっていた
長谷川公之と宮田達夫が共同で脚本を書き
山崎徳次郎がメガホンを取った作品
神戸から横浜の犯罪組織に潜入捜査する兵庫県警の刑事のお話

小高雄二は弟の敵討ちを目論む流れ者としての出演でしたが
二谷さんも演技が硬いのに合わせて、対にあるのは軽妙さが求められるものであるのが本来なんですが、小高さんも硬質な演技されるから
このコンビネーションは映画的にはちょっと機能不全を感じさせてくれているのがマイナス要因でしかなかったかなぁ
やっぱエースの錠の存在感って、かなり貴重な存在でもあったことがわかる

途中で潜入捜査員ってわかるんですが
それでもかなり拳銃ぶっ放す二谷さんですが、拳銃以外に刃物は使われずに
後は腕力だけのステゴロアクションに終始しているのもちょっと面白かったかなぁ
日活はある意味女優さんが偏っているようでメインムービーであっても女優さんにほとんど魅力を感じる方がいなかったのは残念ですねぇ

未パッケージ作品ですし
日本の映画会社はプリントや原盤の保存がよくないんで
音声トラックが一部破損していたのがちょっと残念でしたけども
チャント映像が最初っから最後まで見られることはある意味幸せなことだと・・・

1961年製作、日本映画、日活作品
山崎徳次郎監督作品
出演:二谷英明、香月美奈子、小高雄二、小沢栄太郎、安部徹、神山繁、菅井一郎、南寿美子、南風夕子、江幡高志、浜村純、野呂圭介、高橋明

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バジラーオとマスターニー

2022-03-20 17:20:22 | アジア映画
18世紀に実在した宰相バジラーオと異教徒のマスターニーの悲恋物語を
ものすごいスケールで描いた2015年製作のインド映画、人物等物量が半端ねぇ
なんと158分の超大作ですね、そして7年も前の作品ですから随所に歌あり、ダンスありの作品ではありますが
ボリウッド的にシノップスを無視してダンスや歌を入れてくるわけでは無く
見事にプロットとしてダンスと歌を見事に組み込んでいる作品で、見応えは十分でした。
 
歴史ものっていうことで、インド映画っていうだけでジャケットもタイトルもほとんど気にせず
史劇イコール「バーフバリ」みたいな作品かと勝手に思い込んでレンタルしてきて
円盤入れて見てたら、最初の方は戦闘シーンがあって
これは楽しみっても思っていたら
実はおかしな方向に流れて行っちゃって
 
なんと私にはわからないヒンドゥー教とムスリム教の対立での中で、主人公バジラーオとマスターニーの愛を叙情的に描いた壮大なラブロマンスだった、それも悲恋に終わるという
そしてバジラーオには妻がおり、マスターニーは宗教違いの第二夫人ですが
そう結果的に正妻と側室の争いはないものの
宗教が絡んでバジラーオは家族から村八分状況に置かれるものの
側室のマスターニーへの愛が強くて
 
バジラーオへの愛を求めてやまない積極的に生きるマスターニーと彼の愛を静かに待つ正妻がいて、
さらにこれはエゴでしかないんだけども二人への愛は変わらないんだっていう実につごうのいい男の心情を持ちつつインド征服を女たちの愛を糧にして野望に燃える男バジラーオ
これが韓国映画だったら多分ドロドロな映画になるんでしょうが
そこはインドですから陽気な歌と群舞ダンスで明るく描いちゃうとこが凄かった
 
そして正妻持と側室の“静と動”のが二人の対照的な女性たちの違った芯の強さが印象的な作品となっているものの
バジラーオの弟と母親によってバジラーオとマスターニーは悲劇へと突き進んでいくことになるんですね
 
ある意味現代では三角関係の果てに同じ日、同じ時間軸で遠隔地ではあるものの
同時に命を落とすという歴史叙情詩でした
インド映画ですからダンスとか歌が物語の中で筋を壊さずにいれ混んでいけると
こんなに派手でゴージャスな作品になるんですね
インドの役者さんは全員歌って踊れないと役者になれないようですね
 
2015年製作、インド映画(映画祭公開作品)
サンジャイ・リーラ・バンサーリー製作・脚本・監督作品  
出演:ディーピカー・パードゥコーン、ランヴィール・シン、プリヤンカー・チョープラ
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