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レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、残日録。

桜の代紋

2019-05-21 19:24:43 | 邦画
日本映画専門チャンネルでは、高倉健、鶴田浩二に引き続いて第三弾として
東映チャンネルと共同で若山富三郎の特集を組んでいる
ってことで月二本の内一本は東映作品ではない若山作品をセレクトしてるんですね

この作品70年代の東宝映画が、”明るく楽しい東宝映画”作品が他社のヤクザ映画に押されて
自社作品の製作を止めてつぶれた大映とか日活の役者さんやらの製作した作品を
自社劇場の番線に組み入れて
そうなんですよねぇ、小林一三の企業人としての先見性を受け継いでるっていうことで
なんとお金のかかって採算のとれない自社での映画製作を止めて他社やプロダクションの作品を買い取って自社の番線にっていう
現在の配給会社としての基盤はここから生まれて来てるようですね

ってことで勝プロダクション製作で若山富三郎主演の「子連れ狼」での実績を買われて
なんと若山富三郎原作・製作・主演で作られたこの作品
過去にはVHSでパッケージ化されてるものの未だにDVD化はされておらず
見られる機会は殆ど少ない作品
今回Blu-rayに焼けたのは僥倖でした

舞台はどこと言ってないですが、役者連中の台詞とか桜の代紋(警察)と対立する暴力団組織西神会とかからどうやら大阪かと・・・
西神会は岩国基地から150丁の軍用コルトを仕入れ帰阪する際に警官2名に見とがめられ
これを射殺

若山富三郎は4課の同僚とか昔気質の橋田組組からもなんと”兄弟”と呼び合う中
ってことでもう警察というよりヤクザ同士の抗争劇と言ってもいいような内容
役者は東映から若山一家と言っていいような方々を持ってきてまして
佐藤京一からして刑事だし、須賀不二男が4課長、内田朝男は警察署長となんとこっちの裏をかいてるキャスティング
特に取り調べ中に生ニンニク食ってる江幡高志が人を食ってる

人を食ってるのは西神会の会長の大滝秀治さん
こういった役をやらせたら彼の裡から冷徹さが滲み出てくるんですねぇ
したがって若山富三郎に対しても情け容赦ない訳で
基本シノップスとしては対立が警察と暴力団って構図ではなくて
普通に警察をヤクザ組織に置き換えてもおかしくないほどの作品ですが

警察内部に大組織との内通者がいたりで、
当時の映画の潮流であるスプラッターにも満足できる

1973年製作、日本映画、勝プロダクション作品、東宝配給
若山富三郎原作・製作・出演、三隅研次監督作品
出演:松尾嘉代、真山知子、関口宏、渡辺文雄、大滝秀治、須賀不二男、東三千、小林昭二、大木実、内田朝男、石橋蓮司、
コメント
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