MOMENT

レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、残日録。

母という名の女

2019-01-18 23:24:53 | 洋画
昨年末にDVDリリースされたメキシコ映画
一応ミニシアターで公開された作品なのですね
邦題の付け方と惹句の"母性などない。あるのは欲望だけー。隣にいるのは母ではなく、女という怪物だった…"っていうのがなんだろう
見る前からネタばらしもしていたと言うか
でもそれだけではおわらなかった映画

そうなんだよね"女は弱し、ただ母はつよし"っていった映画でもあったし
"母は母であっても、いくつになってもその本質は女である"ってことでもあるんですね
ジャケットがちょいホラーっぽいですが、これだけは日本の配給会社(彩プロ)のミスリード
更に言わせて貰うなら、邦題はベリグですが・・・惹句は要らぬお世話

要は姉妹いでリゾート地に住んでる妹が同級生の17歳とのカレシとの間で妊娠して
女の子を産むのですが、そんな時にどこからか母親アブリルが現れて
孫を大事にするものの、若い二人には経済力もなく、またカレシの両親は子をもうけたことには反対して勘当状態
妹バレリアは、17歳で母となるものの子育てにノイローゼ気味です
母であるアブリルは若い37歳差の女に走ったバレリアの父親を訪ねるもけんもほろろ
したがってバレリアに内緒にカレシの親と協力し孫の養子縁組の許可を取り付け
バレリアから子を奪ってしまう・・・

実際は自分で孫を引き取って娘のカレシのみ娘に会わせてバレリアには秘密という事で
孫をだしにしてなんと肉体関係を結んで同棲してしまうとは
ってことである意味"親子丼"関係を・・・これは先に書きましたが
"母は母であっても、いくつになってもその本質は女である"っていう女の本質を
これって娘にっていうよりは
若い女に走ってしまった元夫に対しての女の復讐であり矜持でもあったかと
母親がなんと一匹の女に目覚めましたって
私は見てとったんですよね

っていうのは最終的には孫を棄てて逃げてる訳ですからねぇ
つかの間娘のカレシの肉体を貪って女を満喫したってことでいいのかな

物語の終盤では母親が別荘を売りに出したことから行動を起したバレリアは
カレシと実母の関係を知ってしまい
俄然母性が目覚めて・・・女が再び母になったことですか

そんな意味で邦題はアブリルとバレリアとの両方にあかってるっていうナイスセンスですけども、惹句はアブリルにしかかかってへんやろ
この作家さんの映像には必要な情報のみ映像にしていて
余計な説明映像も説明台詞もなく淡々と物語が進み
あとは視聴者が行間を埋め合わせていくっていう映画はいいですねぇ

2017年製作、メキシコ映画
ミシェル・フランコ製作・脚本・監督作品
出演:エマ・スアレス、アナ・バレリア・ベセリル、エンリケ・アリソン、ホアナ・ラレキ、エルナン・メンドーサ
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徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑

2019-01-18 19:33:57 | 邦画
一日一本時代劇を見ていく企画
何となくその企画の25%を消化した時点で
やっぱ私個人的に最初はそんな風に思ってはいませんでしたが
段々企画の方向性がある程度の見えて来たようで
やっぱりB級と言うか、殆どZ級の塵芥(ごみ)映画が好き過ぎて・・・
っていうのがよくわかったような

という事で本日の一本は石井輝男がその道を拓いたと言うか
時代劇製作の殿堂と言う自負のある東映京都撮影所に
マッパの女優さんたちを集合させてエロ時代劇絵巻を撮影したとして
フィルムには女優さんたちの赤い腰巻きがスクリーンにひらめいたのに反して
東映京撮ではスタッフたちのストライキの赤旗がひらめいたとか・・・

しかし、映画はお客さんが入ってなんぼですから
斜陽の淵からの救世主となるような金脈を当時の撮影所長の岡田茂が
こんなおいしいものをのがすはずもなく・・・
組合と折り合いつけて脈々と作ってる訳でして
その中でも特にエログロの極致といわれるこの作品
流石にBS・CSの深夜枠でもOAされないのね

「牛裂きの刑」の副題がついてはおりますが、なんと標題の「女刑罰」を見世物風に
紹介をしつつ脈絡のない二つのエピソードを並べた80分の尺のオムニバス映画
っていうことで"牛裂きの刑"をクライマックスのケレンとして
よくまぁ1976年にしてはここまでやるかっていう様な
上半身と下半身を裂断させ内蔵ホルモンを垂れ流す絵を見せてくれる

長崎奉行のキリシタン弾圧のお話ですから拷問の数々に合理性を持たせております
この長崎奉行演じてるのは汐路章さん、
演技巧者ですので残忍さがもう突き抜けていて
さもあらんて見てるこっちも拷問の残酷さとグロさ、そしてこういった映画のエロさも実に納得させられてしまうのよね

大体ヤモリだかイモリだかを喰いちぎったり、女体をじっとり舐めまわしたり
もう水を得た魚のような演技でして
実際後味の悪い映像とプロットなんですが汐路章さんの怪演に助けられているとは

っていうか、後半のエピソードも実際には川谷拓三さんと橘麻紀さんのお二人の
あっけらかんとしたキャラクターがこれまた救いのないお話しを昇華させてくれているんですね

東映名物のこういった一連の作品を見ていくっていうか
もう一度いい機会として見直していくのもよいかっていうことで・・・

1976年製作、日本映画、東映作品
牧口雄二監督作品
出演:風戸佑介、内村レナ、汐路章、岩尾正隆、疋田泰盛、丸平峯子、増田美紀、真鍋美保、荻窪明美、川谷拓三、橘麻紀、八木孝子、城恵美、木谷邦臣、北村英三、若林美津恵、野口貴史
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