時間かけ十二単を装へど重ねて脱げば一瞬なりき
美しき襲色目が床に映ゆ十二単のもぬけのからよ
もう一度十二単にもどします。着付けが終わった後、魔法のように一瞬にしてもとの姿にもどるところを見せてもらいました。全部の着物をごそっとまとめて脱ぐだけなのです。考えてみれば紐二本だけで着付けてあるのだから紐を解いて重ねて脱げばいいわけですが、現代の着物はそうはいきません。紐の数だけでも4,5本は使いますし、帯も結ぶのでそう簡単に脱ぐことは出来ません。十二単はもぬけのからとなっても襲色がなおいっそう美しく神社の床板に映えていました。