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選挙前の罠かでっち上げ事件なのか『推定無罪(上)』

2023-12-04 12:49:43 | ミステリー小説から見えるもの
美人同僚検事の殺害で元恋人である上司首席検事が犯人に仕立てられる。政敵の地方検事選挙に有利にするかのようなこの事件は、首席検事が殺害事件の犯人として裁判でぶつかり合いが始まった。「罠なのか、それとも偶然をでっち上げたのか」検察側、弁護側が知恵を絞る様が描かれている(前編)
『推定無罪(上)』スコット・トウロー
「概要」アメリカ中部の大都市、地方検事を選ぶ選挙戦のさなかに、美人検事補が全裸で殺されていた―。クリスティ的犯人さがしの妙味、検察出身の作者の経験を生かした圧巻の法廷場面、地方都市の政治・司法・警察の実態をまるごと捉えた、社会小説的な視点、なにをとっても第1級の傑作
ー地方検事選挙に元同僚ニコ、数年前に事務所を首にした政敵、が市長の同意を得て当選。だがその前に選挙戦を有利にしようと美人検事キャロリン、一時的に首席検事サビッチの恋人だったが他殺体で発見された。それもレイプされその元恋人首席検事サビッチが犯人だとして裁判が始まった。検察側は敵対する元同僚ニコとトミーで地方検事、検事補になったばかり、対する弁護側は元裁判で争った精鋭の弁護士スターンが味方についた。
ー首席検事サビッチは息子が一人、妻バーバラの三人家族だが、同僚検事キャロリンと不倫をしていた事で複雑化で起訴までの2週間で難題となる。更に一人息子に対する世間の目からいかに守れるかもサビッチにとっては重要な案件だった。
ー証拠物件は検察側、警察等で押収し裁判で利用されることになった。それは「指紋がついたグラス」「犯人をキャロインの家で、バスで見たと言う証人」「他殺体内にあった残留物」など、まずは証拠を覆すことへの立証、或いは見方を変えて相手の反応を窺うこと、だった。
ー被告人となったサビッチに有益になったのは妻バーバラーとの親密な関係が蘇り、裁判の判事が被告人側に有利(判断を間違えない)だと思えることだった。
「相手の検事は政敵だったこと、それは最後まで言わない方がいい。検察側が発見したことで、弁護側の役に立つものは全てこちらに見せなければならない。だが、向こうに役の立つかもしれない部分は教えない方がいい」



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