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世界の戦争・紛争の要因背景『戦争の地政学』

2023-11-04 07:57:27 | 世界の動きから見えるもの
@世界では地域・国家とその勢力・勢により紛争、戦争が勃発しているが、これは文化、文明、宗教など含め静観する世界ではなく、参画(巻き込まれる)することへの恐怖も今後伴うことだろう。そこに地政学における区分けを無理やりしている感があるが「陸と海」の制覇は歴史が物語り、現代はその規模がネット社会により世界を一瞬に覆い巻き込むのが恐ろしい。それにしても米軍の日本基地部隊数は圧倒的に多く、多くを国税で負担しているのもそろそろ見直すべきだ。
『戦争の地政学』篠田英朗
「概要」「地政学」とは何か?地理的条件は世界をどう動かしてきたのか?
「一般に地政学と呼ばれているものには、二つの全く異なる伝統がある。『英米系地政学』と『大陸系地政学』、海を重視する英米系地政学は、分散的に存在する独立主体のネットワーク型の結びつきを重視する戦略に行きつく。陸を重視する大陸系地政学は、圏域思想をその特徴とし、影響が及ぶ範囲の確保と拡張にこだわる」
2つの地政学
    海を重視する英米系地政学:海洋の自由、海洋国家、自由主義的、同盟ネットワーク型
        シー・パワー:米英(NATO連合諸国)・橋頭堡の確保
    陸を重視する大陸系地政学:大国主権重視、反自由主義、圏域拡張主義型
        ランド・パワー:中央アジア・東欧諸国・ソ連(ワルシャワ条約機構)
ーウクライナ戦争勃発の起因
    シー・パワー(米国を中心とした)NATOへの同盟勧誘(NATOの東方拡大)
    プーチンの激怒は米国が主導したマイダン革命(民主化運動)を非難
    ウクライナは「キーウ安全保障協約」をNATO連合と結びロシアを裏切った
    冷戦後NATO同盟国は16ケ国、現在は30ケ国に増えた
ー文明の衝突(宗教)
    西欧文明・ラテンアメリカ文明・イスラム文明・アフリカ文明・ヒンズー文明
    東方正教会文明・仏教文明・中国文明・日本文明
ー日本の変遷
    ワシントン会議 米英からの軍縮(日本には米英の6割を強制)
    日本に対して1917年の中国での勢力圏を認めない米国(米国は警戒心を持った)
    1931年満州事変、満州国を認めない米英、国際連盟脱退した日本、1933年軍縮会議脱退
    1936年日独防衛を結び、1940年日独伊三国同盟、1941年真珠湾攻撃へと転換
ー20世紀の武力紛争・戦争
    国家対外戦争は減少、国家内紛争が奮発、国際化した内戦へと飛び火している
    テロ戦争・イスラム圏領域内の紛争・戦争に米国、NATO諸国が絡む
米軍の海外展開(2021年9月)
    日本:基地120ヶ所、部隊53,713 (国家経費負担・地位協定など不利な日本)
    韓国:基地73ヶ所、部隊26,414
    ドイツ:基地119ヶ所、部隊33,948
    イタリア:基地44ヶ所、部隊12,247
    英国:基地25ヶ所、部隊9,274
    カナダ:基地3ヶ所、部隊127
    オーストラリア:基地7ヶ所、部隊1,085
ー中国の一帯一路
    両性類的存在であり大陸から海へと勢力を拡大させようとしている「9段線」
    シー・パワーによるアジア・中東・アフリカ東岸~ヨーロッパへと拡張構想
ーインド太平洋
    「クワッド」により日本・オーストラリア、インド、米を含む自由の海を目指す